貧賤[語句情報] »
貧賤
「貧賤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
貧賤の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「明暗」より 著者:夏目漱石
の余裕に祟《たた》られている所以《ゆえん》だね。僕の最も痛快に感ずるところだね。
貧賤《ひんせん》が富貴《ふうき》に向って復讐《ふくしゅう》をやってる因果応報《い....
「不審庵」より 著者:太宰治
の道を修め、主客応酬の式|頗る簡易にしてしかもなお雅致を存し、富貴も驕奢に流れず
貧賤も鄙陋に陥らず、おのおの其分に応じて楽しみを尽すを以て極意となすが如きものな....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
は言を俟たぬ。「婦人は夫の家を我家とする故に唐土には嫁を帰るというなり仮令夫の家
貧賤成共夫を怨むべからず天より我に与え給える家の貧は我仕合のあしき故なりと思い一....
「女大学評論」より 著者:福沢諭吉
がいえ》とする故に唐土《もろこし》には嫁《よめいり》を帰るといふなり。仮令夫の家
貧賤|成共《なりとも》夫を怨むべからず。天より我に与へ給へる家の貧《まずしき》は....
「教育の目的」より 著者:福沢諭吉
まじわり》を求むるに上流を避けて下流につく者を見ず。ことさらに富貴の人を嫌うて、
貧賤を友とする者を見ず。その富貴上流の人に交るや、必ずしも(往々あれども)彼の富....
「学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
人間の交際は一日も保つべからざるはずなれども、事実においてけっして然らず、いかに
貧賤《ひんせん》なる者にても、その貧にして賤《いや》しき所以《ゆえん》の原因を知....
「学校の説」より 著者:福沢諭吉
みにて他に関係なければ、たがいにその貴賤貧富を論ずるにいとまあらず。ゆえに富貴は
貧賤の情実を知り、
貧賤は富貴の挙動を目撃し、上下混同、情意相通じ、文化を下流の人....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
の家に持って行く財産は貧富|貴賤によって一定しないが、富貴な者は自分の荘田を送り
貧賤なる者はその度に従って多少の衣服等を持って行く。
で、その家を出ます時分に....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
う。高野は貴人の供養所として、余り名だたる大家の霊が寄っているそうなので、旅人の
貧賤では心もとない気もするが、ここが駄目だったらともかく高野山へ預けに行こう。 ....
「三国志」より 著者:吉川英治
でた張譲は、 「何進っ、汝は元来、洛陽の裏町に、豚を屠殺して、からくも生きていた
貧賤ではなかったか。それを、今日の栄位まで昇ったのは、そもそも誰のおかげと思うか....
「三国志」より 著者:吉川英治
してから、 「さすがに都督の遠謀、感心しました。――元来、劉玄徳は、少年早くより
貧賤にそだち、その青年期には、各地を流浪し、まだ人間の富貴|栄耀の味は知りません....