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貧農
「貧農〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
貧農の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「苦悩の年鑑」より 著者:太宰治
端に土着した百姓が、私たちの祖先なのに違いない。 私は、無智の、食うや食わずの
貧農の子孫である。私の家が多少でも青森県下に、名を知られはじめたのは、曾祖父|惣....
「党生活者」より 著者:小林多喜二
獄が待ちかまえているわけだ。然しながら、これらの犠牲と云っても、幾百万の労働者や
貧農が日々の生活で行われている犠牲に比らべたら、それはものゝ数でもない。私はそれ....
「蟹工船」より 著者:小林多喜二
」など、ウマイ事ばかり並べた活動写真を使って、田畑を奪われそうになっている内地の
貧農を煽動して、移民を奨励して置きながら、四、五寸も掘り返せば、下が粘土ばかりの....
「野狐」より 著者:田中英光
ているなぞいったが、例えば十二の八倍が幾つになるかの暗算さえできなかった。彼女は
貧農の娘、しかも不義の子として生れたのである。幼時、煙草畑の草取りがいかに苦しか....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
て、実は勤労大衆の或る程度以上の層の凡てから出ているということだ。プロレタリアや
貧農出身ではないが、大衆的な勤労層は之によって代表されているのである。その限り学....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
経費は自給自足でやらせる。入所すべき人物は地方で折紙づきの篤農家候補を厳選する(
貧農は御免蒙ることにする)。約二カ年間窮乏に耐えたスパルタ式訓練をなす、即ちなる....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
ルーズな非科学的な常識のやり口である。処が事匡救に関する限り、農村に於ける地主と
貧農民との利害上の対立は極めて鮮かなのである。例えば農村匡救のためと称して低利資....
「母たち」より 著者:小林多喜二
時から野良に出て働かせられたし、土方部屋のトロッコに乗って働いたこともある純粋の
貧農だったが、貧乏人であればあるほど、一方では自分の息子だけは立派に育てゝ楽をし....
「農民文学の問題」より 著者:黒島伝治
政党を以て労農提携の問題をごまを突破して真に階級性を持った提携に向って進んでいる
貧農大衆の闘争等については、まだ全くわれ/\の文学に反映さしてはいない。 しか....
「明治の戦争文学」より 著者:黒島伝治
躍動して、恐ろしく深く印象に刻みつけられる。日清戦争に際して、背後の労働者階級と
貧農がどんな風であったかは、この「愛弟通信」から求められ得ないが、国際的な関係の....
「犯人」より 著者:坂口安吾
野宿して放浪し、盗み食いをしたり、乞食をしているらしかった。家には酒乱で怠け者で
貧農の父がいて、むやみに仁吉に当りちらかした。母は死んで、父と仁吉の二人暮しであ....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
、破産したんだぜ……」 呵々大笑して、「お蔭で、この山間の村々でも、約三百軒の
貧農、中農が、まき添えを喰って倒産する。だが、それも時代の勢いというもので、何と....
「瘤」より 著者:犬田卯
ってそれが守られていようと、要するに時日の問題でなければなるまい。無力文盲に近い
貧農たちの無けなしの土地を整理して、上部の方を辻褄合せようと、組合の内部は依然と....
「不在地主」より 著者:小林多喜二
この一篇を、「新農民読本」として全国津々浦々の「小作人」と「
貧農」に捧げる。「荒木又右衛門」や「鳴門秘帖」でも読むような積りで、仕事の合間合....
「学生の技能と勤労大衆」より 著者:戸坂潤
て、実は勤労大衆の或る程度以上の層の凡てから出ていると云うことだ。プロレタリアや
貧農出身ではないが、大衆的な勤労層は之によって代表されているのである。その限り学....