貨殖[語句情報] »
貨殖
「貨殖〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
貨殖の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
な生活を送っている。父は主計官としてだいぶ好い地位にまで昇《のぼ》った上、元来が
貨殖《かしょく》の道に明らかな人であっただけ、今では母子共《おやことも》衣食の上....
「道草」より 著者:夏目漱石
《わたし》に預けて御置きなさると、一年位経つうちには、じき倍にして上げますから」
貨殖の道に心得の足りない健三はその時不思議の感に打たれた。 「どうして一年のうち....
「食魔」より 著者:岡本かの子
験本を書いて独力で出版販売した。当ったその金で彼は家作や地所を買入れ、その他にも
貨殖の道を講じた。彼は小富豪になった。 彼は鰥で暮していた。姉のお千代に塾をひ....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
は再び正気に復った。 天使 糜竺は東海の※というところの人で、先祖以来、
貨殖の道に長けているので、家には巨万の財をたくわえていた。 あるとき彼が洛陽か....
「黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
しては六七万石の小さい方だったが、旧幕時代には裕福だった上に、明治になってからも
貨殖の途が巧みだったと見えて、今では華族中でも屈指の富豪だった。然し、当主の重明....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
ったりしても出す女であった。彼女の前夫は親類仲で、慶応義塾出の男であった。最初は
貨殖を努めたが、耶蘇を信じて外川先生の門人となるに及んで、聖書の教を文句通り実行....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
|枳園と共に抽斎の弟子となった。家督の時は表医者であった。令図、富穀の父子は共に
貨殖に長じて、弘前藩|定府中の富人であった。妹秀は長谷川町の外科医|鴨池道碩に嫁....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ろに乞食が多いからだという説もあります。また、伊勢人は一体に物に倹《つま》しく、
貨殖の道が上手《じょうず》なところから、嫉《ねた》み半分にこんな悪名をかぶらせた....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
樫本寒雪といえば当時、聞えたる有名の画家であって、絵の方に於ても一代の名家だが、
貨殖も相当なもので、なかなかに豪奢《ごうしゃ》な生活を営んでいるということも聞き....
「坂田の場合」より 著者:豊島与志雄
ましたようなところがあって、坂田に対して干渉がましい口を利かず、内心では、坂田の
貨殖の才と、将来の何かの野望とを、想像し期待していたのかも知れない。それ故、坂田....
「北斎と幽霊」より 著者:国枝史郎
非常に独創的であった。 彼は有名にはなったけれど決して金持ちにはなれなかった。
貨殖の道に疎かったからで。 彼は度々|住家を変えた。彼の移転性は名高いもので一....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
ごとく彼を尊敬することも、かねて承知であるが、数時間に渡って彼の人生観、なかでも
貨殖《かしょく》に関する態度を初めて聞き知った。僕が彼の話を聞きながら、言葉がた....
「夏目漱石論」より 著者:森鴎外
るようだが、その二女史はどんな人か知らない。随って何とも云われない。 四、
貨殖に汲汲たりとは真乎 漱石君の家を訪問したこともなく、またそれについて人の話....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
といい、信州|高島の家臣であったが、故あって浪人となり、家族ともども江戸に出た。
貨殖の才がある上に、信州人特有の倹約家で、金貸などをひそかにやり、たいして人にも....
「松井須磨子」より 著者:長谷川時雨
は世間見ずのものであるが、ああまで社会的に堕落してゆくものかとまで見られもした。
貨殖《かしよく》に忙《せわ》しかった彼女が種々《いろいろ》な客席へ招かれてゆくの....