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貪欲
「貪欲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
貪欲の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
ていた。それだのに目の前に異国情調の豊かな贅沢品《ぜいたくひん》を見ると、彼女の
貪欲《どんよく》は甘いものを見た子供のようになって、前後も忘れて懐中にありったけ....
「仮装観桜会」より 著者:佐左木俊郎
自分のそういう気持ちを知らずに、なおこのうえに要求を重ねようとしている職工たちの
貪欲《どんよく》を思うと、賢三郎は意地でもその要求を退けてやりたい気がするのだっ....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
※ そう云った日には、東京中の白露人全部が嫌疑者にならなくてはなりませんわ。あの
貪欲と高い利息とでは、いくら勘忍強い神様でもお憎しみにならずにはいられないでしょ....
「死生」より 著者:幸徳秋水
は限りもないが、要するに死其者の恐怖すべきではなくて、多くは其個個が有せる迷信・
貪欲・愚癡・妄執・愛着の念を払い得難き性質・境遇等に原因するのである、故に見よ、....
「落穴と振子」より 著者:佐々木直次郎
て振っていたのだが、とうとうその無意識に一様な運動は効き目がなくなってしまった。
貪欲にも鼠どもはちょいちょい鋭い牙を私の指につきたてた。私は残っている脂っこいよ....
「ウィリアム・ウィルスン」より 著者:佐々木直次郎
私の野心や、パリでの私の復讐や、ナポリでの私の熱烈な恋や、さてはエジプトでの私の
貪欲と彼が誤って名づけたものなどを、妨害した男――この私の悪魔であり悪の本尊であ....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
で心は残酷で、吝くさいのだろう。あの百姓は単純そうに見えて、本当に嫌にしつこくて
貪欲なのだろう。あの娘は美しいけれど、あれでいざとなれば恋人を捨てるんだろう。あ....
「死刑の前」より 著者:幸徳秋水
、要するに、死そのものを恐怖すべきではなくて、多くは、その個々が有している迷信・
貪欲・痴愚・妄執・愛着の念をはらいがたい境遇・性質等に原因するのである。故に見よ....
「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
った。彼のすること考えることはみな自己が中心で、少しでも他人を苦しめて獣のような
貪欲さで快楽をむさぼり、石で出来た人間のように無慈悲であった。ヘンリー・ジーキル....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
るのは仕方がないけれど、狸御殿の殿様の手口にかゝるとは、哲学者てえものはヨクヨク
貪欲で血のめぐりの悪い先生方のことなのかな」 最上清人は必死にこらへてゐるけれ....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
知覚される。そしてその苦行に宿る歓喜を求めて、一度求め得たるものを放とうともせぬ
貪欲心が生ずる。それが執著である。鳥獣|乃至草木においても、知覚の厚薄はあろうが....
「昨日・今日・明日」より 著者:織田作之助
みませんか。新作ものを一つ……」 仕事に熱心な佐川は、新しい芸人を見つけると、
貪欲な企画熱をあげるのだった。頼み方はおだやかだが、自分の企画に悦に入っている執....
「縮図帖」より 著者:上村松園
絵巻物の一部分、能面、風俗に関する特別の出品物まで、いいなと思ったものはどしどし
貪欲なまでにことごとく写しとったものである。 縮図帖に用うる紙は一定していない....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
淋しく鳴っています。 クリスマスを祝うという習慣は本当に美しい習慣と思います。
貪欲な人間たちがよくこんな習慣を津々浦々にいたるまで行き渡るように守るようになっ....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
」 こうエバが言うと、アダムもそれに負けないで、 「嘘を言え! それはおまえが
貪欲だからだ。最初おまえが知慧の実なんか食いたいと思わなければ、今日のような文明....