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「貫き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

貫きの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
藪の中」より 著者:芥川竜之介
申し上げるまでもありますまい。わたしの太刀は二十三|合目《ごうめ》に、相手の胸を貫きました。二十三合目に、――どうかそれを忘れずに下さい。わたしは今でもこの事だ....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
右手《めて》に閃《ひらめ》きて、縁に立てる男の胸をば、柄《つか》も透《とお》れと貫きたり。 戸を犇《ひしめ》かして、男は打ち僵《たお》れぬ。朱《あけ》に染みた....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
て蕪雑になっていようとも、一人の詩人の徹視はよく乱れた糸のような生活の混乱をうち貫き、言葉をその純粋な形に立ち帰らせ、その手によって書き下された十行の詩はよく、....
」より 著者:海野十三
だ、はや人造宇宙線というものを作ることに成功した。あのX光線でさえ一ミリの鉛板を貫きかねるのに、人造宇宙線は三十センチの鉛板も楽に貫く。だから鉄の扉やコンクリー....
天守物語」より 著者:泉鏡花
しょう。 時に閃電す。光の裡を、衝と流れて、胡蝶の彼処に流るる処、ほとんど天井を貫きたる高き天守の棟に通ずる階子。――侍女等、飛ぶ蝶の行方につれて、ともに其方に....
二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
のおどろくべき事態に気がついたときは、例の長軸は、発電所の天井を、もう一息で刺し貫きそうなところまで迫っていたのである。 「た、たいへん。マイカ大要塞の、あらゆ....
空襲警報」より 著者:海野十三
甲弾や地雷弾とちがって、あまり大きな破裂音をたてない。だが投下弾は、民家の屋根を貫き、天井をうちぬいて畳の上や机の横に転がり、そこではじめてシュウシュウと、目も....
鷭狩」より 著者:泉鏡花
ておりますんです。それも棄て、身も棄てて、死ぬほどの思いをして、あなたのお言葉を貫きました。……あなたはここをお立ちになると、もうその時から、私なぞは、山の鳥で....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
動車に闖入した、五体個々にして、しかも畝り繋った赤色の夜叉である。渠等こそ、山を貫き、谷を穿って、うつくしい犠牲を猟るらん。飛天の銃は、あの、清く美しい白鷺を狙....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
る巡査である。御先祖の霊前に近く、覚悟はよいか、嬉しゅうござんす、お妻の胸元を刺貫き――洋刀か――はてな、そこまでは聞いておかない――返す刀で、峨々たる巌石を背....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
然、崩折れて、ぶるぶると身震いして、飛着くごとく良人に縋りて、血を吐く一声夜陰を貫き、 「殺します、旦那、私はもう……」 とわッとばかりに泣出しざま、擲たれた....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
警柝声は※の月 残燈影は冷やかなり峭楼の秋 十年剣を磨す徒爾に非ず 血家血髑髏を貫き得たり 犬飼現八 弓を杖ついて胎内竇の中を行く 胆略|何人か能く卿....
迷信解」より 著者:井上円了
へ目口をえがきたるものあり、草鞋の片足を釘づけにしたるもあり、塩鮭の頭を藁縄にて貫きてつるせるもあり、そのなんの意たるや解するに苦しむことが多い。これを一見する....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
旅宿を定め、夜に入るまで市街を散歩す。 十五日、炎晴。リヨンは二条の清流これを貫き、数条の橋梁これにかかり、かつ一方の岸頭は丘山を成し、風光に富める市街なり。....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
であった。しかし中耳炎病後の影響は相当にひどく、何をやっても疲れ勝ちで遂に初志を貫きかねた。漢口駐屯時代に徐州で木炭中毒にかかり、それ以来、脈搏に結滞を見るよう....