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「責務〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

責務の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
去年」より 著者:伊藤左千夫
やつからは、少くもひとりについてひとりずつ、夫婦ふたりでふたりの後継者を作るべき責務として、国家は子のない者から、税金を取るべきだ。そうして余分に子を育てる人を....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
とは云え、一人立派に成長した男子を今や完全な幸福感に置いている――それでまた親の責務の一端が肩から降りた気もするのである。かの女はいつも思っている。こんな生きる....
恐竜島」より 著者:海野十三
をとった。 爆音は次第に大きくなる。 「島の誰かが合図をするだろう、僕らは今の責務《せきむ》を完遂《かんすい》しようじゃないか」 ケンは波よりもしずかに云う....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
みは神に近いが、慈悲は寧ろ人間に近い。 われ等は、かの全然瞑想に耽りて、自己の責務の遂行を等閑視する、人気取式の神信心を排斥する。神は断じて単なる讃美を嘉納さ....
獄中消息」より 著者:大杉栄
あり、十分お互いの融和を謀るがいい。 それから、君が今勉めなければならぬ最大の責務は、幼弟幼妹等に対して十分の慰めと励みとを与えることだ。父は死ぬ。頼みとする....
灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
がるに飛びこんだ。白いラインが殊更にくっきりと私の眼を射た。私は何か非常に重大な責務をあびているような感じがして、腰をかがめて走り出した。すぐに、けしのむらがり....
読書子に寄す」より 著者:岩波茂雄
に和してこれを推挙するに躊躇するものである。このときにあたって、岩波書店は自己の責務のいよいよ重大なるを思い、従来の方針の徹底を期するため、すでに十数年以前より....
桐生通信」より 著者:坂口安吾
政治家が現われてくれないものかと思う。民衆の生活水準を高めることを政治家の最上の責務と感じる人の出現ほど日本に縁のなかったものはない。 しかしフハイダラクの底....
切捨御免」より 著者:坂口安吾
それを行って、恬として、恥じるところがないのである。 言論の自由と称し、報道の責務と称し、その美名や権力を濫用するもの、新聞の如きものはない。新聞の犯人製造は....
映画と民族性」より 著者:伊丹万作
、むしろ考えてはならぬのである。自己の民族への奉仕をまつとうし、民族芸術としての責務をはたしたうえ、さらに余力をもつて国境を越えて行くなら、それはよろこばしいこ....
少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
にぬれた眼をあげた。 「ありがとう、ゴルドン君! ぼくははずかしい、ぼくは重大な責務を忘れていた、ゆるしてくれたまえ」 キラキラと光るものが、紅潮したほおに、....
「日本民族」とは何ぞや」より 著者:喜田貞吉
江湖に提供することを以て、目下における必要なる事業と思惟し、これを以て史家当然の責務の一つたることを自認するものである。余輩が微力を顧みず、本誌を発刊するに至っ....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
て。) 今にその悪魔に小股をすくわれるくせに。 得業士 これが青年最高の責務だ。 己が造るまでは、世界も無かったのだ。 日は己が海から引き出して来た。 ....
「特殊部落研究号」発行の辞」より 著者:喜田貞吉
に候う。これただに彼ら特殊社会の為のみにあらず、一つは以て我らが国家社会に対する責務の一部を完うし、一つは以て小生自身の学問慾を満足せしめんとするものにこれ有り....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
日満両国を範囲とし自給自足をなし得る経済力。 三 満州国の東亜連盟防衛上に於ける責務真に重大なり。特にソ国の侵攻に対しては、在大陸の日本軍とともに断固これを撃破....