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「貯金通帳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

貯金通帳の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
親という二字」より 著者:太宰治
《うなず》いてベンチから立ち上り、郵便局備附けの硯箱《すずりばこ》のほうへ行く。貯金通帳と、払戻し用紙(かれはそれを、うけ出しの紙と言っている)それから、ハンコ....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
かけて、「金融野瀬商会」 べつに看板を掛けた。それには、 「恩給・年金立て替え貯金通帳買います 質札買います」 恩給・年金の立て替えはべつとして、あとの二....
幸運の黒子」より 著者:海野十三
り、転地療養をすることになって残額の二千円はばたばたとなくなってしまった。そして貯金通帳から、最後の五十銭までが奇麗に払い出されると、間もなく細君の寿命も、天国....
婦人と文学」より 著者:宮本百合子
的なものである。信州のその一つの村の中で、軍関係にあった人が、どんなにあわてて、貯金通帳までを焼きすてたか。どんなに流言がとび、どんなに人々が、「誰がかえったか....
原爆回想」より 著者:原民喜
、万年筆、小刀、鉛筆、手帳、夏シャツ、手拭、縫糸、針、ちり紙、煙草、マッチ、郵便貯金通帳、ハガキ、印鑑 これだけが、うまく詰めこんであった。かねて私は水の中に....
古井戸」より 著者:豊島与志雄
の顔は、醜くどす黒く艶が失せて、眼ばかりぎょろりと光っていた。差出されたのは郵便貯金通帳で、光子の名前で千円近くになっていた。 彼は喉がつまって言葉が出なかっ....
勉強記」より 著者:坂口安吾
であろう。拾ったとき早速郵便局へ駆けつける用意ではあるまいけれども、懐中に、年中貯金通帳を入れていた。 こうして不退転の決意をもって巴里密航の旅費を累積しはじ....
アド・バルーン」より 著者:織田作之助
私はその人を命の恩人と思い、今は行方は判らぬが、もしめぐり会うことがあれば、この貯金通帳をそっくり上げようと名義も秋山にして、毎月十日に一円ずつ入れることにした....
」より 著者:黒島伝治
本や、絵葉書など、私物箱から放り出したまゝ散らかっていた。小使が局へ持って行った貯金通帳は、一円という預入金額を記入せずに拡げられてあった。彼は、無断で私物箱を....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
さんのお友達、お金もってたこと一度もないわ。あべこべにタバコまきあげるわね」 「貯金通帳見せろ、おごれよ、なんてね。兄さんのお友達、哀れだわよ」 「若いのは、ダ....
都会の中の孤島」より 著者:坂口安吾
た。さもなければ、解釈がつかない。全ての品物はどこへ消えてしまうのだろう。彼女の貯金通帳を握っている陰の誰かが存在するはずだと考えたのである。 かねてこういう....
長崎の鐘」より 著者:永井隆
がまだもっている。まるで家は破産して執行官が来て封印を張ったのに、三男坊が自分の貯金通帳を隠し持っているようなものだ」 「…………」 「私は戦争の間中、国家の最....