»
貰
「貰〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
貰の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
往来。少年はそこを通りかかり、サンドウィッチ・マンの配《くば》っている広告を一枚
貰って行く。
50
縦に見た前の往来。松葉杖をついた癈....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
ったまま、うれし涙にくれていらっしゃいました。髪長彦もこの気色《けしき》を見て、
貰い泣きをしていましたが、急に三匹の犬が背中の毛を逆立《さかだ》てて、
「わん。....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
ど、これは珍談だな。――おい、君、こうなればもう今夜の会費は、そっくり君に持って
貰《もら》うぜ。」
飯沼は大きい魚翅《イウツウ》の鉢へ、銀の匙《さじ》を突きこ....
「影」より 著者:芥川竜之介
言葉は、妙に底力のある日本語であった。
「誰?――婆や?――奥さんにちょいと出て
貰ってくれ。――房子《ふさこ》かい?――私は今夜東京へ行くからね、――ああ、向う....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
芳梅《ごぜたほうばい》画伯に依頼して、細君の肖像画《しょうぞうが》を描《か》いて
貰ったと云う一条です。その肖像画は彼が例のナポレオン一世の代りに、書斎の壁へ懸け....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
別々に、毎日府内をさまよって歩いた。物慣れた甚太夫は破れ扇に鳥目《ちょうもく》を
貰いながら、根気よく盛り場を窺《うかが》いまわって、さらに倦《う》む気色《けしき....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
ただ何年かたって死んだ後《のち》、死体の解剖《かいぼう》を許す代りに五百円の金を
貰《もら》ったのです。いや、五百円の金を
貰ったのではない、二百円は死後に受けとる....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
の合う事を避けたいらしかった。
「しかしあしたは谷村博士《たにむらはかせ》に来て
貰うように頼んで置いた。戸沢さんもそう云うから、――じゃ慎太郎の所を頼んだよ。宿....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
にはとうていそれは載せられません。
保吉 そうですか? じゃどこかほかへ載せて
貰います。広い世の中には一つくらい、わたしの主張を容《い》れてくれる婦人雑誌もあ....
「運」より 著者:芥川竜之介
事じゃございません。そのお授けになる運の善し悪しと云う事が。」
「だって、授けて
貰えばわかるじゃないか。善い運だとか、悪い運だとか。」
「それが、どうも貴方がた....
「魚河岸」より 著者:芥川竜之介
もう一人はどこかの職工らしかった。我々は二人ずつ向い合いに、同じ卓に割りこませて
貰《もら》った。それから平貝《たいらがい》のフライを肴《さかな》に、ちびちび正宗....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
。――そうして一体又あなたは、何を占ってくれろとおっしゃるんです?」 「私が見て
貰いたいのは、――」 亜米利加人は煙草を啣えたなり、狡猾そうな微笑を浮べました....
「兄貴のような心持」より 著者:芥川竜之介
ある。現に今日まで度々自分は自分よりも自分の身になって、菊池に自分の問題を考えて
貰った。それ程自分に兄貴らしい心もちを起させる人間は、今の所天下に菊池寛の外は一....
「寡婦」より 著者:秋田滋
ったので、皆な笑ってしまいました。それからと云うもの、私は毎朝その子が摘んだ花を
貰いました。また、毎晩、その子は部屋へあがって行く前に私の手に接吻して、こう囁く....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
と言いました。 「早速だが、この村に朝太郎という男の子がいるそうだが、その子供を
貰い受ける訳には行かないだろうか?」 と代官は言い出しました。 「さあ……」と言....