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「貰い子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

貰い子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
を見送りながら、主婦《かみさん》に言った。 三十代の夫婦の外に、七つになる女の貰い子があるきり、老人気《としよりけ》のないこの家では、お島は比較的気が暢《のん....
蘭学事始」より 著者:菊池寛
けられている老婆のそれであった。老婆は青茶婆《あおちゃばば》といって、幾人となく貰い子を殺した大罪の女であった。若い時、艶名をうたわれたといわれるだけに、五十を....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
今度の主人夫婦になってから子供が出来ねえ。主人はもう三十を越したもんだから、早く貰い子でもせざあなるめえというので、八王子にいる遠縁のものからお安という娘を貰っ....
無惨」より 著者:黒岩涙香
でも妻は無いのです或は昔し有たけれど死だのか離縁したのか、殊に又其の子と云うのも貰い子だと申します(荻)貰い子か夫なら妻の無いのも無理ではないが、併し―若し又|....
黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
、世間では表向き養子に出来るにも係らず、子供が成長してから可哀想だという意味で、貰い子を自分達の真の子のように入籍して終うのだ。然し、それが果して真の子供を愛す....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
あ聞いて下さい。婆さんには子供が七人も有りましたが、皆な死んで了った……今の辰は貰い子でサ……どうでしょう、婆さんが私の留守に、家の物を皆な運んで了う。そりゃ男....
縮図」より 著者:徳田秋声
た。 銀子が稽古に通っている、千葉神社の裏手に大弓場などもって、十くらいの女の貰い子と二人で暮らしている、四十三四にもなったであろう、商売人あがりの清元の師匠....
海水浴」より 著者:寺田寅彦
着くのかしらと思ってお伽噺的な空想に耽ったりしたものである。宿の主婦の育てていた貰い子で十歳くらいの男の子があったが、この子の父親は漁師である日|鮪漁に出たきり....
アグニの神」より 著者:芥川竜之介
「それでもまだ剛情を張るんなら、あすこにいる支那人をつれて来い」 「あれは私の貰い子だよ」 婆さんはやはり嘲るように、にやにや独り笑っているのです。 「貰い....
光は影を」より 著者:岸田国士
おかしいほど南条に礼の言葉を繰返した。 さて、そういうわけで、父と母と、表面は貰い子ということにしてある赤ん坊とが、そのアパートに移つたあと、京野等志と、妹の....
岩魚」より 著者:佐藤垢石
「それはご親切に――厚くお礼を申しあげます」 「お礼で痛み入る――ところで、嫁を貰い子供を儲けぬうちに賢彌を誘拐すれば、石坂家の系図はそこで絶えてしまう。もし、....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
献策は道理に※っているからな。 ファウスト(帝に。) 鳩と云う鳥が、餌を貰い子を育てる巣へ、 遠い国から帰ることは、 あなたも聞いておいででしょう。 こ....
大ヴォローヂャと小ヴォローヂャ」より 著者:神西清
。 「だからオーリャはいい事をした訳ですよ」と彼は籠ったような声で附け足した、「貰い子の身分になって、おまけにソフィヤ・リヴォヴナみたいな宝石と一緒じゃ、やりき....
」より 著者:織田作之助
が覚める想いだった。豹一の身の上を案ずることで自分の身の上を考えた。最近安二郎は貰い子をすることになっていた。馬鹿らしいやおまへんか、野瀬の身代は大将一人で作っ....
俗臭」より 著者:織田作之助
縁談の相手が伯爵家だときくと、彼女も心安らかに身が引けると思った。最近、男の子を貰い子して二人暮しが三人になり、賑やかになる筈だったと泣いたことは泣いた。何れは....