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「貰い手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

貰い手の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
ん》の話はどっかへ飛んで行ってしまう。 「女もあの通り黒いのです」 「それでよく貰い手があるね」 「だって一国中《いっこくじゅう》ことごとく黒いのだから仕方があ....
新生」より 著者:島崎藤村
ウマい話は一寸《ちょっと》無いサ。節ちゃんももう好い歳《とし》だから、こんな好い貰い手のある時に俺の方では嫁けてしまいたいとそう思うんだが、彼女《あれ》が不承知....
創作家の態度」より 著者:夏目漱石
ったと云われては、世間へ顔向けができない。妹だって御前の身内だと云われては、誰も貰い手がない。だから、どうか承知して男の云う事を承知してやれと逼《せま》る。マグ....
わが町」より 著者:織田作之助
腹が立つやら、情けないやら……そこイ行くと、あんたはほんまにええな。ええとこから貰い手があるし、……」 君枝はそんな元子の愚痴がおかしくてならなかった。 か....
天主閣の音」より 著者:国枝史郎
然宗春は哄笑した。「ワッハハハハ、六十五万石が何んだ、三家の筆頭が何うしたのだ!貰い手があったら呉れてやろう。ふん何んの惜しいものか! それを何んぞや吉宗奴隠密....
河沙魚」より 著者:林芙美子
れど、まるでその蟹糞色のようなどす黒い肌であった。――藁《わら》の上から、親切な貰い手があれば一番いいのである。産み月近くには、二人ばかり貰い手の口もあったのだ....
千早館の迷路」より 著者:海野十三
きかね。あの女ならちょくちょく来るが、ほんとに物好きだよ。物好きすぎるから嫁にも貰い手がなくて、あんなことしているんだろう」 「その女画家は、千早館に泊るんかね....
みごとな女」より 著者:森本薫
そんな閑に、そろそろいいお婿さんでも探した方が実際的じゃないの、おばさん。 真紀貰い手があればねえ。 収 ありますよ、いくらでも。おばさんの方で惜しがってるだけ....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
あった。 「お菊は今年十九のはずだ。そろそろ婿を取ってやらなければならない。嫁に貰い手があるようなら、こだわらずに嫁にくれてやって俺の家は一代で潰してもよい。同....
」より 著者:岡本綺堂
ら救い出して来たなどというのは拵えごとで、尼僧が自分の私生児の処分に困って、その貰い手を探しているのであろうと推量したので、彼は気の毒にも思い、また一方には慾心....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
とか別荘とかいうものでも、いざ、売り払うとなると二束三文、貰ってもしようがないと貰い手もない時節であるから、この蠑螺堂を、壊し屋が買った値段も想像されます。とに....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
を引き上げ、郡部へ引っ込むについて狆を田舎まで伴れて行くのも大儀|故、何処か好い貰い手があれば呈げたいものというので、合田氏へも話しがあったが、合田氏も狆を飼っ....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
たから、切り倒して焚いてしまって、後へ杉苗とか桐苗を植えるような始末で、栃の木は貰い手があればただでもくれたい位なものになっているのですから、東京から、ただでも....
不在地主」より 著者:小林多喜二
に何百町歩ずつ払下げてしまっていた。「入地百姓――移民百姓」は、だから呉れるにも貰い手のない泥炭地の多い釧路、根室の方面だけに限られている。 「開墾補助費」が三....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
引にしてもろうと思うとりまんね……どうせ肺病娘だっしゃろ、二万円つけても今日では貰い手なんかおまへんやろ」 「買い手はいくらでもおまっせ、第一この松島正五郎! ....