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「貰い物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

貰い物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
源おじ」より 著者:国木田独歩
は八歳《やっつ》ばかりの男子《おのこ》なり。母はこの子を連れて家々の門に立てば、貰い物多く、ここの人の慈悲《めぐみ》深きは他国にて見ざりしほどなれば、子のために....
虞美人草」より 著者:夏目漱石
んでいる。 「一本どうだね」 「や、ありがとう。大変立派なものを持っとるの」 「貰い物だ」と小野さんは、自分も一本抜き取った後で、また見えない所へ投げ込んだ。 ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
土産のおしるしで……」 善八に風呂敷をあけさせて、取り出した羊羹二本はきのうの貰い物であった。見識らぬ人のみやげ物を迂濶に受け取っていいか悪いかと、その判断に....
」より 著者:島崎藤村
に対しては、よくあれまでに尽したよ。大抵の者ならイヤに成っちまう……」 豊世が貰い物だと言って、款待顔に羊羮なぞを切って来たので、二人は他の話に移った。 「こ....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
る。唯|蚊だけが疵だが、至る処の堂宮は寝室、日蔭の草は茵、貯えれば腐るので家々の貰い物も自然に多い。ある時、安さんが田川の側に跪いて居るのを見た。 「何をして居....
死までを語る」より 著者:直木三十五
嬉しくて堪らず、そこを又手習台にして、主として、絵を描いた。 時々、近所からの貰い物などがあるが、そういう物は、自分の生活とは、ちがった物のような気がして、例....
光と風と夢」より 著者:中島敦
ことだろう! 家の中でマターファと用談を済ませてから、水辺へ下りて行くと、既に貰い物の食物は舟に積込まれてあった。乗ろうとすると、スコール襲来、再び家に戻り、....
モルモット」より 著者:細井和喜蔵
日も儲け物したわ、バナナ一本もらったの。」 翌日、小さな動物はまたもや八百屋で貰い物をした。そして、その明る日も梨を一個もらって来た。と、彼女は何時しか此のこ....
敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
相当の処が有ったら縁付けたいと思って居ると、彼も方々で可愛がられるから、少し宛の貰い物もある、処が小遣や着る物は皆私に預けて少しも無駄遣いはせんで、私の手許に些....
白い朝」より 著者:豊島与志雄
駒井菊子さんの室は、八畳ですが、へんにちぐはぐな感じです。衣裳箪笥とその上にある貰い物らしい京人形と、箪笥の横の鏡台とだけが、女らしいもので、そのほかは、粗末な....
早春」より 著者:豊島与志雄
にも、板塀を越させたんだろう。 「いい木《ぼく》ですねえ。どうしたんです。」 「貰い物なんだ。」 茶の間とおぼしい方の縁側に、まだ学生でもあろうかと見える青年....
水鳥亭」より 著者:坂口安吾
口にゆるされて鶏小屋にすんだ。床をはり、板で囲った。戦災者の特配品と、人々からの貰い物で、日常の用は最小限度に間にあった。彼は現金を持っていたが、食物以外には一....
貞操問答」より 著者:菊池寛
姉さんの名前ですもの、そりゃ、みんな前川さんから貰ったものかもしれないわ。でも、貰い物は貰った人のものよ。」 「まあ! 図々しい!」 「図々しいよりも、こんなこ....
魔像」より 著者:林不忘
見る必要はなかった。ぎゃおッ! と、不思議なおめき声をあげると同時に、長庵、その貰い物を土間へ抛り出して、自分は、弾《はじ》かれたように壁へ倒れかかった。長庵の....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
をしましたが、間もなく全快して、病家では非常に喜んで、手厚い謝礼をしました。その貰い物で賑かな夕食の時に、兄が、「何病でした」と問いますと、父は笑って、「なに、....