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貴ぶ
「貴ぶ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
貴ぶの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
に非常の価値を置きます。カーライルがわれわれに遺してくれたこの本は実にわれわれの
貴ぶところでございます。しかしながらフランスの革命を書いたカーライルの生涯の実験....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
、むしろ喜んで聴くの風ありき。とくに旧幕吏の圧制に懲りまた欧米各国が言論の自由を
貴ぶことを聞き深くこの点について自ら戒めたるがごとし。征韓の議は端なくこの政事家....
「骨董」より 著者:幸田露伴
なるのがホントで、ならぬのがウソか横着かだ。マアこんな意味合もあって、骨董は誠に
貴ぶべし、骨董好きになるのはむしろ誇るべし、骨董を捻くる度にも至らぬ人間は犬猫牛....
「運命」より 著者:幸田露伴
其九に曰く、 須らく知るべし 九仭の山も、 功 或は 一|簣に少くるを。 学は
貴ぶ 日に随つて新なるを、 慎んで 中道に廃する勿れ。 其十に曰く、 羣経 明訓....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
っている。要するに、表面は空しく見せてその実豊かに、表面は無愛想でもその実親切を
貴ぶのが小諸だ。これが生活上の形式主義を産む所以であろうと思う。上田へ来て見ると....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
一致しておる。三昧に入らずして既に禅定の機を悟り、ザックバランでもよくその気分を
貴ぶ。蓋し江戸ッ児は終始この間に生き、この間に動き、そしてこの間にかれらの存在の....
「日本人の自然観」より 著者:寺田寅彦
んど年じゅう同じような果実を食っている熱帯の住民と、「はしり」を喜び「しゅん」を
貴ぶ日本人とはこうした点でもかなりちがった日常生活の内容をもっている。このちがい....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
ういうことばを聞いて、わたしは、自分をふりかえってみた。わたしは、人間のいちばん
貴ぶ所有物が、富と結びついた高い混り気のない家柄だということを聞いた。そういった....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
に行かるる機会があったら、これらの遺物を実際に見らるることも出来る。 第三に、
貴ぶべき示唆を受けることは出来ない。あたかも雲に聳ゆる高塔を仰いで、その偉観に感....
「海豚と河豚」より 著者:佐藤垢石
晒し鯨の酢味噌にしたところが、肉そのものには何の味もなく、ただその歯切れのよさを
貴ぶだけで、酢味噌の出来が旨くなかったら、食べられるものではない。 缶詰に至っ....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
「丁度君には適当の位置だ。こうして辛抱していれば追々高等官になれる、」と大いに兄
貴ぶりを発揮して二葉亭に辛抱を勧告した。 「親切な好い男だが、高等官になれば誰で....
「東洋文化史における仏教の地位」より 著者:高楠順次郎
ていた。もちろん形式の仏教としてはセイロンの方がよいかも知れないが、しかし仏教の
貴ぶべき所は仏の理想だということが分ってみると、やはり日本の仏教が一番徹底的であ....
「日本料理の基礎観念」より 著者:北大路魯山人
殺さぬこと、その味というものは、科学や人為では出来ないものでありますから、それを
貴ぶのであります。 昆布、鰹節――選定および出汁の取り方・削り方 料理には出汁....
「男の子を見るたびに「戦争」について考えます」より 著者:小川未明
ために殉じ、真理のために、一身を捧ぐることは、もとより、人類の向上にとって、最も
貴ぶべく、また正しいことです。しかし、戦争が果して、それであると言い得られるであ....
「ひとりすまう」より 著者:織田作之助
と肩を並べて歩くなどという秘かな喜びは、病気が約束した短い一生にとってはまことに
貴ぶ可きものなのだ。この喜びに陶酔しなければならぬ、とその時ぼくも思った。併し、....