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「貴下〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

貴下の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
上に仰向けになって、紙切小刀《かみきりこがたな》も使わずに封を切った。 「拝啓、貴下の夫人が貞操を守られざるは、再三御忠告……貴下が今日《こんにち》に至るまで、....
」より 著者:芥川竜之介
なさを感じた。 「なおまた故人の所持したる書籍は遺骸と共に焼き棄て候えども、万一貴下より御貸与《ごたいよ》の書籍もその中《うち》にまじり居り候|節《せつ》は不悪....
婦系図」より 著者:泉鏡花
工面が悪いって事たから、かたがた折角、お世話を願ったそうだけれど、宜しいように、貴下から……と先ずざっとこうよ。」 め組より、お蔦が呆れた顔をして、 「わざわ....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
そんな刑罰はあるまいと想う。僧都は、うろ覚えながら確に記憶に残ると言われる。……貴下をお呼立した次第です。ちょっとお験べを願いましょうか。 博士 仰聞けの記憶は....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
とう――ちらほらと松も見えて、いろいろの浪を縅した、鎧の袖を※に翳す。 「あれを貴下、お通りがかりに、御覧じはなさりませんか。」 と背向きになって小腰を屈め、....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
阿媽、ほんとの按摩か、影法師か。」 と激しく聞く。 「ほんとなら、どうおしる。貴下、そんなに按摩さんが恋しいかな。」 「恋しいよ! ああ、」 と呼吸を吐いて....
女客」より 著者:泉鏡花
憚り様ね。」 「ちっとも憚り様なことはありやしません。謹さん、」 「何ね、」 「貴下、その(憚り様ね)を、端書を読む、つなぎに言ってるのね。ほほほほ。」 謹さ....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
あるから。―― 「おかみさん、この芝居はどういう筋だい。」 「はいはい、いいえ、貴下、子供が出たらめに致しますので、取留めはございませんよ。何の事でございますか....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
お道さん、汚れるぞ。) と手伝を払って、しっかとその処へ据直す。 (立野さん。貴下は革鞄の全形と折重って、その容量を外れない範囲内にお立ち下さい。縫子が私の妻....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
かも百雷耳に轟く心地。 「おお、もう駒を並べましたね、あいかわらず性急ね、さあ、貴下から。」 立花はあたかも死せるがごとし。 「私からはじめますか、立花さん…....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
。銑さん、泣きたくなったの。 ただもう遁げ出したくッてね、そこいら※すけれど、貴下の姿も見えなかったんですもの。 はあ、長い間よ。 それでもようよう聞えた....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
し、返事を乞うた人もある。この中で面白いのは、ある囚人のよこした手紙である。 「貴下のなされし科学上の大発見を学びおれば、余は禁囚の身の悲しみをも忘れ、また光陰....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
行く。……これだけの事は、今までにも、話した事がありましたから、一度、もう、……貴下の耳に入れたかも知れません。」 君待て、仏国のわけしりが言ったと聞く。 「....
活人形」より 著者:泉鏡花
が通う様です。こっちの者になるかも知れません。静にしておかなければ不可せんから、貴下方は他室へお引取下さい。警部は巡査を引連れて、静にこの室を立去りぬ。 泰助....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
もってこの由を申し送った。曰く『吾人は決して戦争に至らしめないであろう。若し余が貴下に五百万マルクの支出を承諾するならば、穀物を国庫の損失補償の下に売却すると同....