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貴公
「貴公〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
貴公の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
、振り返って平吉と馬琴とを見比べると、妙な顔をして流しへ痰《たん》を吐いた。
「
貴公は相変らず発句《ほっく》にお凝りかね。」
馬琴は巧《たく》みに話頭を転換し....
「煙管」より 著者:芥川竜之介
物は、つぶしが利《き》きやす。」
「質《しち》に置いたら、何両貸す事かの。」
「
貴公じゃあるまいし、誰が質になんぞ、置くものか。」
ざっと、こんな調子である。....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
斉《ひと》しく身を起こして、ひらりと御者台に乗り移れり。 渠の形躯《かたち》は
貴公子のごとく華車《きゃしゃ》に、態度は森厳《しんげん》にして、そのうちおのずか....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
奥の手が始まった。もう判った。やめィ」 「おい千手。それが本当なら、念のために、
貴公に先刻報告のあった米国聯合艦隊の陣容を、教えといてやろう」紙洗大尉は笑いなが....
「奇賊悲願」より 著者:海野十三
貰えんだろうか。一生のお願いだ。哀れなる烏啼天駆を助けてくれ」 「うん。外ならぬ
貴公から是非にと頼まれたのは前代未聞じゃから、何とかしてあげたいものだ。どうする....
「今昔ばなし抱合兵団」より 著者:海野十三
に攻勢的同情を求めるわい。しかしいつまでもわしの部屋に頑張られても困るが、一体|
貴公の教わりたいという事項は、何じゃったね」 「あれぇ、金博士はもうそれをお忘れ....
「火薬船」より 著者:海野十三
はしゃべりだした。 「はあ、そうでしたか」 「そうでしたかというところを見ると、
貴公は知らないと見えるね。――その法会に参加した人数は五十人あまり、法会の模様か....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
利を信ずることができない」 機関士官は、また蒼くなった。 「あっはっはっはっ。
貴公にゃ、臆病神がついていて、放れないらしい。そこのところには、こういう作戦があ....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
て、君は――」 「はッはッはッ、無断で無断でと仰有りますが、実はこのことについて
貴公に伺いたいのだ」 「なんだとォ――」 と、杜も強く云いかえした。 「フン、....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
た日、遠く来た旅を思わせる。 すべて旧藩侯の庭園だ、と言うにつけても、贈主なる
貴公子の面影さえ浮ぶ、伯爵の鸚鵡を何としょう。 霊廟の土の瘧を落し、秘符の威徳....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
辺の家主なり、差配なりだ。それがどうしたと言いたい。 ねえ、老人。 いやさ、
貴公、
貴公|先刻から、この町内を北から南へ行ったり来たり、のそのそ歩行いたり、窺....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
に居た亭主が、算盤を押遣って 「これ、お洗足を。それ御案内を。」 とちやほや、
貴公子に対する待遇。服装もお聞きの通り、それさえ、汗に染み、埃に塗れた、草鞋穿の....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
で、九ツの時から八年有余、教育も先方で受けた、その知識と経験とをもて、何等かこの
貴公子に見所があったのであろう、滝太郎といえばかねてより。…… 六....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
我より「しかじかにて間違えられし」と告げれば、この巡査顔を知りたれば打笑いて、「
貴公あまりこの橋の上に永くぶらつかれるからだ。この人は投身を企つる者ではござらぬ....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
いる。 口寡で、深切で、さらりと物に拘らず、それで柔和で、品が打上り、と見ると
貴公子の風采あり、疾病に心細い患者はそれだけでも懐しいのに、謂うがごとき人品。そ....