貴公子[語句情報] »
貴公子
「貴公子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
貴公子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
斉《ひと》しく身を起こして、ひらりと御者台に乗り移れり。 渠の形躯《かたち》は
貴公子のごとく華車《きゃしゃ》に、態度は森厳《しんげん》にして、そのうちおのずか....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
た一人で建部博士の下に社会学をやっていた、少し出歯ではあったが、からだの小さい、
貴公子然とした好男子だった。 ある晩、学校からの帰りに、同じ生徒の高橋という輜....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
杜が江西地方からかえって韶州に来て、旅宿に行李をおろすと、その宿には先客として
貴公子然たる青年が泊まっていた。かれは刺繍のある美しい衣服を着て、玉を飾りにした....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
た日、遠く来た旅を思わせる。 すべて旧藩侯の庭園だ、と言うにつけても、贈主なる
貴公子の面影さえ浮ぶ、伯爵の鸚鵡を何としょう。 霊廟の土の瘧を落し、秘符の威徳....
「死者の書」より 著者:折口信夫
った。此馬がもっと、毛並みのよい純白の馬で、跨って居る自身も亦、若々しい二十代の
貴公子の気がして来る。神々から引きついで来た、重苦しい家の歴史だの、夥しい数の氏....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
に居た亭主が、算盤を押遣って 「これ、お洗足を。それ御案内を。」 とちやほや、
貴公子に対する待遇。服装もお聞きの通り、それさえ、汗に染み、埃に塗れた、草鞋穿の....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
で、九ツの時から八年有余、教育も先方で受けた、その知識と経験とをもて、何等かこの
貴公子に見所があったのであろう、滝太郎といえばかねてより。…… 六....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
女でありました。 彼女はわたしの愛を百倍にして返してくれたのです。この地の若い
貴公子や十法官からも華ばなしい結婚の申し込みがありましたが、それはみな失敗に終わ....
「鰻に呪われた男」より 著者:岡本綺堂
ですが、これは更に上品な風采をそなえた人で、色の浅黒い、眼つきの優しい、いわゆる
貴公子然たる人柄で、はきはきした物言いのうちに一種の柔か味を含んでいて……。いえ....
「天衣無縫」より 著者:織田作之助
だけでもいやな言葉だけど、華やかな結婚、そんなものを夢みているわけではなかった。
貴公子や騎士の出現、ここにこうして書くだけでもぞっとする。けれど、私だって世間並....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
いる。 口寡で、深切で、さらりと物に拘らず、それで柔和で、品が打上り、と見ると
貴公子の風采あり、疾病に心細い患者はそれだけでも懐しいのに、謂うがごとき人品。そ....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
、これは確かに、想像を越えた、もっとも無収穫な結末だったにちがいない。大遠征軍、
貴公子の御大将、艱苦、希望、大見得――そのすべてがついに、むなしい屈辱と、無限に....
「古事記」より 著者:太安万侶
紀では、武烈天皇の太子時代のこととし、歌も多く相違している。ある王子とシビという
貴公子の物語として傳承されたのが原形であろう。―― そこで天下をお治めなさ....
「情鬼」より 著者:大倉燁子
った人は多くはないだろう、黒い大きな眼鏡がちょっと邪魔になるが、上品な顔だちと、
貴公子らしい風采とはいつまでも眼に残った。何んて奇麗な男だろう。 小田切大使の....
「深夜の客」より 著者:大倉燁子
った瞬間、ハンドルを握っているがっちりとした鳥打帽の男、それと並んで腰かけている
貴公子風の男とが、チラリと眼に入った、はっとして見直そうとした時には、車はもう行....