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貴夫人
「貴夫人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
貴夫人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
事をしていたものの、話がだんだん深入りして行くにつれて、田川夫人という人は上流の
貴夫人だと自分でも思っているらしいに似合わない思いやりのない人だと思い出した。そ....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
でしょう」お浦「随分其の女は貴婦人の真似でも出来る様な質だったの」給仕「ハイ不断
貴夫人の様に着飾ると、田舎者などに感心せられるのを大層嬉しがって居たと云う事です....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
掛や膝掛が焼焦だらけ水だらけになって一と山積んであった。中には自働車や馬車に乗る
貴夫人の肩や膝に纏わるべき美しい織物もあった。 山高や中折や鳥打やフッドの何れ....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
この目で御覧じたわ。此方は鷹狩、もみじ山だが、いずれ戦に負けた国の、上※、貴女、
貴夫人たちの落人だろう。絶世の美女だ。しゃつ掴出いて奉れ、とある。御近習、宮の中....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
時。 現代、初冬。 場所。 府下郊外の原野。 人物。 画工。侍女。（烏の仮装したる）
貴夫人。老紳士。少紳士。小児五人。 ――別に、三羽の烏。（侍女と同じ扮装）....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
からぬいと青切符をわざとらしく抜出して手に持ちながら、勿体ない私風情がといいいい
貴夫人の一行をじろりと※し、躙り寄って、お米が背後に立った前の処、すなわち旧の椅....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
ある蒲団に、あたかもその雲に乗ったるがごとく、菫の中から抜けたような、装を凝した
貴夫人一人。さも旅疲の状見えて、鼠地の縮緬に、麻の葉｜鹿の子の下着の端、媚かしき....
「雪霊記事」より 著者:泉鏡花
かり、十幾年。 不思議にここで逢いました――面影は、黒髪に笄して、雪の裲襠した
貴夫人のように遥に思ったのとは全然違いました。黒繻子の襟のかかった縞の小袖に、ち....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
、朋友でも呼ぶように失礼だ、と言って、そのまま座敷を構われた位な勢よ。高位高官の
貴夫人令嬢方、解らなけりゃ、上ツ方の奥様｜姫様方、大勢お弟子があるッさ、場末の荒....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
ただ捜せ、捜すと極めて、当地第一の料亭、某楼に、橘八郎先生歓迎の席を設けて、縉紳
貴夫人、あまた、かつは主だったる有志はじめ、ワキツレ囃子方まで打揃い、最早着席｜....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
からして二葉亭は無知なる腹掛股引の職人を紳士と見て交際し、白粉を塗った淪落の女を
貴夫人同様に待遇し、渠らに恩恵を施しつつ道徳を説き、渠らを罪悪の淵から救うて真人....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
満都を羨殺し笑殺し苦殺した数日の後、この夜、某の大臣が名状すべからざる侮辱を某の
貴夫人に加えたという奇怪な風説が忽ち帝都を騒がした。続いて新聞の三面子は仔細あり....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
うやら長続きはしなかったらしい。一、二カ月もせぬうちに、はやくも京童は伯爵とある
貴夫人との仲を、とやかくと伝えるような有様だった。ベエコン老夫人は胸を打たれた。....
「釣」より 著者:アルテンベルクペーター
いなる、動かすべからざる真面目の態度を以て釣っている。 直き傍に腰を掛けている
貴夫人がこう云った。 「ジュ ヌ ペルメットレエ ジャメエ ク マ フィイユ サ....
「魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
、何んて大きな観音様でしょう」とびっくりしたような甲高い声がした。それは二三人の
貴夫人連であった。 「お立派な観音様、これはね、先代様がシャム国へ御派遣になった....