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貴方
「貴方〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
貴方の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「運」より 著者:芥川竜之介
な事があったね。」
「どんな事と云って、そう一口には申せませんがな。――しかし、
貴方《あなた》がたは、そんな話をお聞きなすっても、格別面白くもございますまい。」....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
めますまい、そのかわりには、当方から酒井家へ申入れまする、この縁談に就きまして、
貴方から先生に向って、河野に対する御非難をなされぬよう。御意見は御意見、感情問題....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
をかけ指揮官は刀を前に投げ出します。それは武器を投ずる動作です。刀を投げ捨てて「
貴方にはかないません」という意味を示した遺風であろうと思われます。また歩調を取っ....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
もの。 女房 ああ、(望む)あの光は。いえ。月影ではございません。 美女 でも、
貴方、雲が見えます、雪のような、空が見えます、瑠璃色の。そして、真白な絹糸のよう....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
まるで衣類がない。――これが寒中だと、とうの昔凍え死んで、こんな口を利くものは、
貴方がたの前に消えてしまっていたんでしょうね。 男はまだしも、婦もそれです。ご....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
甘そうだね、二ツ三ツ取って下さい。」 「はいはい、この団子でござりますか。これは
貴方、田舎出来で、沢山甘くはござりませぬが、そのかわり、皮も餡子も、小米と小豆の....
「女客」より 著者:泉鏡花
って可いじゃありませんか。」 「だって、謹さん、私がこうして居いいために、一生|
貴方、奥さんを持たないでいられますか。それも、五年と十年と、このままで居たいたっ....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
ら、踏台を提げて、小児たちの背後を、ちょこちょこ走り。で、松崎の背後へ廻る。 「
貴方様は、どうぞこれへ。はい、はい、はい。」 「恐縮ですな。」 かねて期したる....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
ございます。」と横に開いて揉手をする。 「そいつは堪らんな、下座敷は無いか。――
貴方はいかがです。」 途中で見た上阪の中途に、ばりばりと月に凍てた廻縁の総硝子....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
たかして、その笠が動きもしません。 卓子の脚に、お道さんのと重ねて置いて、 (
貴方――御機嫌よう。) (は。) と先生は一言云ったきり、顔も上げないで、めり....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
低声である。 「僕は大空腹。」 「どこかで食べて来た筈じゃないの。」 「どうして
貴方に逢うまで、お飯が咽喉へ入るもんですか。」 「まあ……」 黙ってしばらくし....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
。油断をするな、那奴また白墨|一抹に価するんじゃから。」 十六 「
貴方御存じでございますか。」 「ああ、今のその話の花か。知ってはいない、見たこと....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
はござりますがな。――へい、いえ、いえそのままでお宜しゅう……はい。 そうした
貴方様、勉強家でござりました癖に、さて、これが療治に掛りますと、希代にのべつ、坐....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
死ねば……あの、空から、お振袖を着て見ているから可いわ。私お裁縫が少し出来ます、
貴方にも、ちゃんと衣服を着せますよ、お袴もはかせましょうね。) 私は一刻も早く....
「活人形」より 著者:泉鏡花
をきょろきょろ見廻すは、もしや婦人を尋ねにかと得右衛門も油断せず、顔打守りて、「
貴方は御泊ではございませんか。と問えばちょっとは答せず、煙草一服思わせぶり、とん....