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貴族
「貴族〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
貴族の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
た顔のどこかに、漂《ただよ》っている種類の人であった。が、同時にまたその顔には、
貴族階級には珍らしい、心の底にある苦労の反映が、もの思わしげな陰影を落していた。....
「河童」より 著者:芥川竜之介
「三番目にあるのはトルストイです。この聖徒はだれよりも苦行をしました。それは元来
貴族だったために好奇心の多い公衆に苦しみを見せることをきらったからです。この聖徒....
「路上」より 著者:芥川竜之介
ら、遠慮なく嬉しそうな顔をするが好いぜ。こりゃ僕の親友でね、安田《やすだ》と云う
貴族なんだ。もっとも
貴族と云ったって、爵位なんぞがある訳じゃない。ただ僕よりゃ少....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
うに、病的なる愛好者を持っている。そう云う愛好者は十中八九、聡明《そうめい》なる
貴族か富豪かである。
好悪
わたしは古い酒を愛するように、古い快楽説....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
ません。いや、むしろその蒼白《あおじろ》い顔や華奢《きゃしゃ》な手の恰好なぞに、
貴族らしい品格が見えるような人物なのです。翁はこの主人とひととおり、初対面の挨拶....
「手紙」より 著者:芥川竜之介
を感じています。M子さん親子も、――M子さん親子の場合は複雑です。M子さん親子は
貴族主義者です。従ってこう云う山の中に満足している訣《わけ》はありません。しかし....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
ある。すでに彼は、「東方」にさえ、その足跡を止めている。大名と呼ばれた封建時代の
貴族たちが、黄金の十字架《くるす》を胸に懸けて、パアテル・ノステルを口にした日本....
「星座」より 著者:有島武郎
れない。商工業者のために一般の人民は利用されたのだったかしれない。けれどもです、
貴族と富豪と僧侶とは確実にこの地面の上から、この……地面の上から一掃《いっそう》....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
まいとする強さを私は明かに見て取ることが出来る。神の信仰とは強者のみが与かり得る
貴族の団欒だ。私は羨しくそれを眺めやる。然し私には、その入場券は与えられていない....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
で如何いう訳か三人だけがつぎつぎにクララの夢に現れた。その一人はやはりアッシジの
貴族で、クララの家からは西北に当る、ヴィヤ・サン・パオロに住むモントルソリ家のパ....
「聖書」より 著者:生田春月
町に関係のないこともないと思って、 「聖書ですね」とKさんを見ると、Kさんのその
貴族的な、いかにも旗本の血統を承けているらしいすっきりした顔は、微笑にゆるんで、....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
です。」 実際彼のいう通り、それらの光りは彼の眼のうちで輝いていた。しかし古い
貴族出の彼は良い妻や子とともに、物質上にはなに不自由なく暮らしていたが、どうして....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
牲をも払うことを辞せなかった。彼が多忙な生活中に、閑を割いて面会を遂げた政治界、
貴族社会、学会、文学界、芸術界等の大立物のみでも幾百千というを知らなかった。要す....
「初雪」より 著者:秋田滋
* * * 忘れもしない、彼女がノルマンディーの
貴族と結婚させられたのは、四年前のことである。良人というのは、鬚の濃い、顔色のつ....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
れているとは思わなかった。全くおまえは見上げたもんだねえ。おまえは全くいい意味で
貴族的だねえ。レデイのようだね。それじゃ僕が…… 沢本と戸部とが襲いかかる前に瀬....