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「貴族主義〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

貴族主義の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
手紙」より 著者:芥川竜之介
を感じています。M子さん親子も、――M子さん親子の場合は複雑です。M子さん親子は貴族主義者です。従ってこう云う山の中に満足している訣《わけ》はありません。しかし....
語られざる哲学」より 著者:三木清
を見出そうという。もしまた誤解を招きやすい言葉をあえて用いるならば、前者の態度を貴族主義、後者の態度を民衆主義とも呼ぶことができるかも知れない。私は、いやしくも....
近時政論考」より 著者:陸羯南
乙は自由を主とす、甲は現時の階級を排して平民主義に傾き、乙は在来の秩序を重んじて貴族主義に傾く、もって両論派の差違を見るに足り、またもって自由論派の本色を知るに....
詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
いた。即ち約言すれば、古代希臘の昔から一貫して、叙事詩《エピック》の特色は男性的貴族主義で、抒情詩《リリック》の特色は女性的平民趣味のものであった。また前者は超....
現実の道」より 著者:宮本百合子
いうものは、多く何かの意味で特殊なものです。その特殊な環境の作用からある意味での貴族主義、ひろい目から見るとある意味での独善に傾く危険がなくは無い。大多数の女の....
マリア・バシュキルツェフの日記」より 著者:宮本百合子
トになりはじめた。ところが、画題の選択の面では彼女の少女時代からつきまとっている貴族主義、壮美の趣味がつきまといつづけた。「出あい」を描く一方で、マリアは刺客に....
婦人作家の今日」より 著者:宮本百合子
大衆の生活から游離していることが問題となっている一方に、今日は文学における顕著な貴族主義がある。貴族主義的男の作家、評論家もあるが、昨今出場して来る婦人作家に一....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
はデモクラティックな民衆の自然発生的な通念に他ならない。そうすれば之がギリシアの貴族主義的な知識の依り処となれないことは当然だろう。 併し、常識という言葉(C....
世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
わけが違う、こうした貴族意識は彼等のかくれた心事であるようである。 高踏主義・貴族主義・も一つの趣味として或いは尊重されていいかも知れぬ。だが、この趣味が彼等....
文学精神は言う」より 著者:豊島与志雄
当ってこの精神は、あらゆる卑俗を忌み、自己を高貴に保とうとする。その性質は謂わば貴族主義である。 茲に言う貴族主義とは、社会生活上のそれとは異る。権勢や富や華....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
反した観念がつぎつぎに起こり、相反した行動がつぎつぎに起こっていた――民主主義と貴族主義、社会主義と個人主義、浪漫主義《ロマンチスム》と古典主義《クラシチスム》....
決闘」より 著者:神西清
には本当に大勢お友達がありますの。けれどねえ、困ったことにあれの母親が気位の高い貴族主義で、わからず屋で……」 しまいまで言わずに、ナヂェージダは勢よく水へ飛....
日記」より 著者:宮本百合子
○―― 人間が或程度まで、ウェル・ブレッドであることは実に大切だと思う。所謂、貴族主義の上品さではなく、率直で、物解りがよく、感情の重さ、強さのあるのは、きっ....
郷愁の詩人 与謝蕪村」より 著者:萩原朔太郎
、彼の生活していた江戸時代の文化情操が、町人的卑俗主義に堕していたことで、蕪村の貴族主義と容《い》れなかった上に、彼自身が京都に住んでいたためと思われる。この句....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
統にしばられたものであることは言わずもがなであろうが、それ故にこそ、そこに精神の貴族主義が生れるのである。現世に失敗しても、心の世界で低劣に堕しまいとする誇りで....