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「貴殿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

貴殿の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
吉良上野の立場」より 著者:菊池寛
入りですな」と、畠山がいった。 「この頃の七、八百両は、こたえます」 「しかし、貴殿は塩田があって裕福だから」 「そう見えるだけです」 「いや、五万三千石で、二....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
手に委ねることにつき、余は用意がある。しかして余はその交換条件として、次のことを貴殿に依嘱したい。それは外でもない。わがゼムリヤ号に働きかけたる巨大なる外力に関....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いごん》相違あるまじく候、菊園一家の者に心配無用と御伝え被下度《くだされたく》、貴殿にも御探索御見合せ被下度候、先《まず》は右申入度、早々。 それを読み終っ....
仇討禁止令」より 著者:菊池寛
たものを、今更どんなに騒ごうと、あの老人が変えるものか」と、いった。 「然らば、貴殿は、みすみす一藩が朝敵になるのを、見過すのか」吉川隼人が、気色ばんだ。 「い....
仇討三態」より 著者:菊池寛
ら忠次郎の前へ来た。半知になっていても、忠次郎の方が家格は遥かに上であった。 「貴殿からも、杯を一つ頂戴いたしたい」 幸太郎は、忠次郎が蒼白な顔をしながらさし....
ネオン横丁殺人事件」より 著者:海野十三
契約書を読むとハッキリします。 殺人契約書 一 拙者は虫尾兵作の殺害を貴殿に依頼せしこと真なり。成功の暁には本書引換に報酬金一萬円相渡すべきものとす。....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
差しかかると、ひとりの旅すがたの若侍が彼を待ち受けているように立っていた。 「御貴殿は石見弥次右衛門殿でござるか。」と、若侍は近寄って声をかけた。 左様でござ....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
に言う。この地上にもし、まだ誰も知らず一人も踏まぬ国ありとすれば、その所在を、ご貴殿にはお買い取りになりたき意志なきや。小生は、それほどのものを売らねばならぬほ....
真田幸村」より 著者:菊池寛
ると分ると、糺は使を遣わして「只今の迫合に創を蒙りて復戦うこと成り難し。然る故、貴殿の蒐引に妨げならんと存じ人衆を脇に引取候。かくして横を討たんずる勢いを見せて....
奇賊は支払う」より 著者:海野十三
へ、その朝恐るべき脅迫状が舞いこんだ。 “脅迫状。拝啓、来る十一月十一日を期し、貴殿夫人|繭子どのを誘拐いたすべく候間お渡し下されたく、万一それに応ぜざるときは....
地底戦車の怪人」より 著者:海野十三
眼とで、相談をしてしまった。 「ええ、黄いろい幽霊どのに申上げます。以後両人は、貴殿を、絶対に上官だと思い、服従いたします。その代り、貴殿のお力をもちまして、ど....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
の芸子島田に、青い新藁で、五尺の菖蒲の裳を曳いた姿を見たものがある、と聞く。……貴殿はいい月日の下に生れたな、と言わねばならぬように思う。あるいは一度新橋からお....
勧善懲悪」より 著者:織田作之助
らい照会の封書や葉書が来た。 早速丹造は返事を出して曰く、――御申込みにより、貴殿を川那子商会支店長に任命する。ついては身元保証金として、金六百円を納められた....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ったのである。 翌朝パリスはファラデーから次の簡単明瞭な手紙を受け取った。 「貴殿が昨日油だと言われし物は、液体の塩素に相成り申候。 ファラデー」 かく、自....
怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
貰いたい。去年の今夜でござる。その節もお願いして置いた。この敵を討ってくれる人は貴殿よりほかにはござらぬと申したので。や、その節快く御承諾下されたので、我々共は....