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「貴賓〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

貴賓の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
的な恋愛をしたんですわね」 「みんなが、みんなそうでもあるまいが、――その時分に貴賓《きひん》の前に出るような遊女になると相当生活の独立性が保てたし、一つは年齢....
安重根」より 著者:谷譲次
六日、朝。東清鉄道長春ハルビン間の特別列車、食堂車内。 金色燦然たる万国寝台車の貴賓食堂車内部。列車の振動で動揺している。正面一列の窓外は枯草の土手、ペンキ塗り....
一つの思考実験」より 著者:寺田寅彦
きな見出しで出ているものの内で、知名の人の死に関する詳細な記事とか、外国から来た貴賓の動静とかはまだいいとしたところで、それらよりももっと今の新聞の特色として目....
或る心持よい夕方」より 著者:宮本百合子
介であった。 ずっと歩いて行って見たら、空地に向った高いところに、満州国からの貴賓を迎えるため赤や緑で装飾された拡声機が据えつけてあって、そこから「年齢十六歳....
大使館の始末機関」より 著者:海野十三
でも余計に生きていられては、余の面目にかかわる」 「さわぐな。いよいよ今日は彼を貴賓の間に入れることにしたから、こんどは大丈夫だ」 「ああ貴賓の間ですか。それは....
待呆け議会風景」より 著者:宮本百合子
と明るくなるとますます目の下の空っぽの議席が空虚の感じをそそる。遠くの円形棧敷の貴賓席に、ぽつりと一人いる人の黒服と白髪の輪廓も鮮やかにこちらから見える。 開....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
に、ふと、この寺に「御座《ぎょざ》の間《ま》」があって、そこへは政宗が、いかなる貴賓をも立入らしめなかったという由緒の一間がある。といって、「御座の間」とある以....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
きた。それは公演の日だった。町じゅうの人が集まっていた。大公爵と廷臣らは、大きな貴賓席を占めていた。その桟敷《さじき》の上には、豊頬《ほうきょう》の天使が二人、....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
を運び去れ!…… 彼は第一の蹉跌《さてつ》に出会った。大公爵が来られなかった。貴賓席はただ付随の輩ばかりで、数人の貴顕婦人で占められた。クリストフは憤懣《ふん....
家なき子」より 著者:楠山正雄
はことばを続けて、白のむく犬のほうに手をさしのべた。「つぎはカピ親方が、ご臨席の貴賓諸君に一座のものをご紹介申しあげる光栄を有せられるでしょう」 このまぎわま....
家なき子」より 著者:楠山正雄
立った。かれはヴィタリス親方といっしょに働いていたじぶんと同じように、「ご臨席の貴賓諸君」に時間を申し上げる用意をしていたのであった。 わたしは時計をかれに見....
魔都」より 著者:久生十蘭
て、階下のロビイで以上のような精神的活劇が演じられているあたかもこのごろ、階上の貴賓用豪奢な一室ではこれに劣らぬ大苦悶が展開されていたのである。 前々回に於て....
日本男子論」より 著者:福沢諭吉
点より見れば悪《にく》むべきにあらず、むしろ憐れむべきのみ。 前年外国よりある貴賓の来遊したるとき、東京の紳士と称する連中が頻《しき》りに周旋奔走して、礼遇至....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
後四時四十五分ごろ、ニース市は、予期せざる光栄ある訪問を受けることになった。その貴賓とは、排水量六千|噸《トン》を有する軽巡洋艦のごとき遊艇《ヨット》に搭乗して....
上野」より 著者:永井荷風
の焼跡なる上野公園を以て春花秋月四時の風光を賞する勝地となし、或時はここに外国の貴賓を迎えて之を接待し、又折ある毎に勧業博覧会及其他の集会をここに開催した。此の....