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「貴賤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

貴賤の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
れぬは、さては天上皇帝を始め奉り、諸天童子の御神光《ごしんこう》に恐れをなして、貴賤|老若《ろうにゃく》の嫌いなく、吾が摩利の法門に帰依し奉ったものと見える。さ....
或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
の秋、一行は落ちかかる雁《かり》と共に、始めて江戸の土を踏んだ。江戸は諸国の老若貴賤《ろうにゃくきせん》が集まっている所だけに、敵の手がかりを尋ねるのにも、何か....
尼提」より 著者:芥川竜之介
どと御一《ごいっ》しょにおることは出来ませぬ。」 「いやいや、仏法《ぶっぽう》の貴賤を分たぬのはたとえば猛火《みょうか》の大小|好悪《こうお》を焼き尽してしまう....
小田原陣」より 著者:菊池寛
た。氏康これを見て落涙し北条家も自分一代で終ると言った。食事は毎日のことだから、貴賤に限らずその心得がなくてはならない。初めから足りない様な汁のかけ方をするよう....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
その家を出ることとなるのであります。そこで花嫁が花聟の家に持って行く財産は貧富|貴賤によって一定しないが、富貴な者は自分の荘田を送り貧賤なる者はその度に従って多....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
ことごとく幸福を全うせしむることあたわず、いかなる仁君ありて法律を設くるも、貧富貴賤の人をして、ことごとく同等同量の福利を得せしむることあたわず、必ずや一方に満....
西航日録」より 著者:井上円了
十ポンド(わが三百円)なりというを聞き、 下女までが准奏任の所得あり 毎日曜、貴賤上下おのおのその奉信するところに従い、東西の会堂に集まる。村内四、五の会堂、....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
風あること、郵便物の間違い多きこと、応接辞礼に巧みにして意と口と一致せざること、貴賤上下の懸隔のはなはだしきこと、理想の低きこと、趣味に乏しきこと等は、ひとりペ....
松の操美人の生埋」より 著者:宇田川文海
傑に扮して、其の精神風采を摸するに奇を専らにし、圓朝氏が洋の東西、事の古今、人の貴賤を論ぜず、其の世態人情を写すに妙を得たるを知り、彌仰慕の念に耐ず、一囘之を見....
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
かったが為に、遂に賤民になったというの事実は、否定し難いと存じます。そしてこれは貴賤が必ずしも民族関係の意味からではなく、職業からその区別が生じたという最も好い....
旃陀羅考」より 著者:喜田貞吉
きやと問うたのに対して、上人の答えた語を「行状画図」に記して、「念仏を修せん所は貴賤を論ぜず、海人漁人が苫屋までも、皆是れ予が遺跡なるべし」と云われたとある。こ....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
である。彼は「往生要集」を著わして、「往生極楽の教行は、濁世末代の目足なり。道俗貴賤誰か帰せざらんものぞ。ただし顕密の教法はその文一にあらず、事理の業因はその行....
融和促進」より 著者:喜田貞吉
なければならぬ次第であります。しかるに中にはその「水平」の意義を広く解して、貧富貴賤をまでも水平にしようと希望するものがないでもなかったらしい。これがために同じ....
融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
食の資を要求するのであってみれば、言わば対等の交換で、双方人間としての地位に上下貴賤の別のあるべきはずはありませんが、まず生きるが第一の時代においては、そのもっ....
味を知るもの鮮し」より 著者:北大路魯山人
体が知れない芋、これらを生かして豆腐を発明し、美味くて安くて、日常食としても万人貴賤|都鄙みな愛好するもの、蒟蒻をつくりあげた作家は、中国人にしても、日本人にし....