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「貴重品〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

貴重品の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
子はそこに入院する事になったが、その前に岡と古藤とに依頼して、自分の身ぢかにある貴重品から、倉地の下宿に運んである衣類までを処分してもらわなければならなかった。....
深夜の市長」より 著者:海野十三
を奪うにあった。T市の黄金の鍵! それはT市長が生命を賭して保管しなければならぬ貴重品だが、高屋市長は或る秘密事件に関係して、代償の約束のため、秘密を握る某氏に....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
ガラスは大丈夫とのこと。 半ねじれの家では七十の老人が、いったん壕に入りながら貴重品を思い出して家にもどり、その途端やられた。しかし落ちた屋根も、縁側が下にお....
食魔」より 著者:岡本かの子
柄で、ちょうど白菜を中指の丈けあまりに縮めた形である。しかし胴の肥り方の可憐で、貴重品の感じがするところは、譬えば蕗の薹といったような、草の芽株に属するたちの品....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
噌が塵の路上にこぼれていると知らせた。 掠奪についても、同様な報道がせられた。貴重品や被服は勿論、床板、畳、天井板をひっぺがし、小学生の教科書をまでかっぱらっ....
灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
るのを感じた。そのうち、彼の持物を掠奪してみたい気持になった。時計。それはあまり貴重品でそれに掠奪すればすぐにわかってしまう。で、私は筆箱にはいっているちびた鉛....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
出そうとするのであろう。安達の家に何かの伝説でもあるか、あるいは脱走の際に何かの貴重品でもうずめて立ち去ったか、二つに一つで、それを今日になってひそかに掘り出し....
白痴」より 著者:坂口安吾
あるのですか、と訊いてみると、部長はプイと顔をそむけて舌打ちしてやにわに振向くと貴重品の煙草をグシャリ灰皿へ押しつぶして睨みつけて、おい、怒濤の時代に美が何物だ....
水鳥亭」より 著者:坂口安吾
ってますぜ。どこを探しても農具や大工道具は売ってませんよ。そして、現在これ以上の貴重品はありません。有り過ぎて困る物ではありませんから、持ってこうかと思ったので....
前記天満焼」より 著者:国枝史郎
門前で、鮫島大学と斬り合って、その武勇を現わして、平野屋の老主人に認められ、その貴重品を托せられたのである。 一方鮫島大学は、そういう悪党であったため、貴重品....
」より 著者:岡本綺堂
出そうとするのであろう。安達の家に何かの伝説でもあるか、あるいは脱走の際に何かの貴重品でもうずめて立去ったか、二つに一つで、それを今日になってひそかに掘出しに来....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
、白山から巣鴨まで、残らず焼野原となってしまいました。長年心懸けて貯えた書物や、貴重品などが皆灰になりましたが、ただ幸だったのは、主人が遺した沢山な蔵書を、この....
真珠塔の秘密」より 著者:甲賀三郎
と商会主は口を添えた。 佐瀬は早速商会主を呼んで、取り敢えず守衛の所へ行った。貴重品ばかりの所であるから、夜は特別に二人居て交代で不寝番をする事になって居たの....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
スト や。手に取れば大きくなる。光って来る。 メフィストフェレス どんな貴重品が手に入ったか、分かりますかい。 その鍵が道を嗅ぎ附けて、あなたを連れて ....
魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
した。彼はしょげ返って涙をこぼしながら首を垂れていました。こんな幼い者をおだてて貴重品を捲き上げるなんて罪悪だと私は憤慨し、小母さん達というのが憎くなり、公高が....