貴顕[語句情報] » 貴顕

「貴顕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

貴顕の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
せられた。はたして第一面には「聖寿万歳」と肉太《にくぶと》に書かれた見出しの下に貴顕の肖像が掲げられてあった。葉子は一か月の余も遠のいていた新聞紙を物珍しいもの....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
いずれも騎馬、あるいは駕籠を用い、中井、伊藤らの官吏に伴われながら、新政府の大官貴顕と聞こえた三条、岩倉、鍋島、毛利、東久世の諸邸を回礼したと伝えらるることすら....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
う、沢山あります。そうして江戸へも持って来ました。がそれはご懇望によりある方面の貴顕へ献じました」 こう幸左衛門は答えた。 （是非見たいものだ） 新八郎はこ....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
会道徳に貢献するところがあったにしても、――当日モンセーニュールの邸宅に伺候した貴顕縉紳の間にあっては、少くとも最も現実性に富んだ人物であった。 なぜなら、そ....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
、芸風に非常な気品があった。それが上流に愛されて、豊かな生活をすることが出来た。貴顕富豪に持て囃され、引っ張り凧の有様であった。 勝海舟は風流人で、茶屋の女将....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
の点だけだが、色あくまで白く、形あくまで整然たるヘルプ紳士としては、ヨーロッパの貴顕ほどの柄はなくとも、佐々木小次郎から武骨を取りのぞいた程度の柄はもたせたいも....
「五右衛門と新左」より 著者:国枝史郎
いを使え無いとは。……俺もお暇しようかしら。考えて見れば俺なんてものは、体のいい貴顕の※間となる！ どうも威張れた義理じゃ無い」 こういう考えが浮かんで以来、....
「アーニイ・パイルの前に立ちて」より 著者:小林一三
となる劇場が必要である。そうだ、日本に帰ったならば帝劇を買収して、高貴の御方や、貴顕紳士の社交場として、東京会館と相俟って、文化の殿堂を建設しよう。日本の社交は....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
に嫁し、維新功臣の末班に列して爵位の高きに居り、俸禄の豊なるに安んじ、得々として貴顕栄華の新地位を占めたるは、独り三河武士の末流として徳川｜累世の恩義に対し相済....
「迷信解」より 著者:井上円了
うちに出ずるところより推すに、源平時代より以前にありしに相違ない。その当時は高位貴顕のそばに婦女子の侍しいて、雑説、奇談をその君に申し上げ、方位、方角などを女子....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
あったから、もし些かでも野心があったらドンナ方面にでも活躍出来たのである。が、富貴顕栄を見る土芥に等しく、旧外国語学校廃止後は官報局の一属僚を甘んじて世の栄達を....
「火葬と大蔵」より 著者:喜田貞吉
重に扱って、これを墓に蔵めるの風習のあった事は言うまでもない。しかしながらそれは貴顕豪富の間のみの事であって、一般庶民の間にあっては、殆ど委棄ともいうべき程の手....
「本州における蝦夷の末路」より 著者:喜田貞吉
の蝦夷はこの尊むべき性格を持っておりましたから、国家の干城たる兵士となり、或いは貴顕紳士の従者となって、天皇の御為に、またはその主人の為に、最も忠勇なる働きを為....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
た中から出たのも少からんことでありますが、今日では芸術家ということになりまして、貴顕紳士とも交際し、何人もこれを以て特に賤しいものだとは認めなくなりました。こう....
「「特殊部落」と云う名称について」より 著者:喜田貞吉
のもまことにやむをえなかったであろうが、今日では何人も牛馬の肉を食して怪しまぬ。貴顕紳士と呼ばれるもので、皮革会社の重役となって恥としないのである。世人自ら進ん....