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買う
「買う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
買うの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
勤倹尚武」を教えたであろう。父の教えた所によれば、古い一冊の玉篇の外に漢和辞典を
買うことさえ、やはり「奢侈文弱《しゃしぶんじゃく》」だった! のみならず信輔自身....
「不思議な島」より 著者:芥川竜之介
老人「野菜の売買をする商人です。商人は田舎《いなか》の男女の育てた野菜畑の野菜を
買う、近海の島々から来た男女はそのまた商人の野菜を
買う、――と云う順序になってい....
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
いと思う事は、大抵酔った時にした事ばかりである。馬鹿踊はまだ好い。花を引く。女を
買う。どうかすると、ここに書けもされないような事をする。そう云う事をする自分が、....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
、たちまち物売りに竹箆返《しっぺいがえ》しを食わせた後《のち》、すっかり巻煙草を
買うことを忘れていたのを発見した。巻煙草も吸われないのは悲惨《ひさん》である。悲....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
、相手があの女である必要のない、欲望のための欲望だ。恐らくは傀儡《くぐつ》の女を
買う男でも、あの時の己ほどは卑しくなかった事であろう。
とにかく己はそう云うい....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
なんだから」と頭を下《さ》げて頼んだと言うことです。けれども勿論半之丞は元値にも
買うことは、出来なかったのでしょう。この町の人々には誰に聞いて見ても、半之丞の靴....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
行ったのですよ。云わばピアノを愛しただけなのですよ。何しろ貧しい達雄にはピアノを
買う金などはないはずですからね。
主筆 ですがね、堀川さん。
保吉 しかし活....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
な砂煙を舞い上げながら、どさりと大きな尻餅《しりもち》をついた。それは彼等の笑を
買うべく、余りに壮厳すぎる滑稽であった。勿論彼等の間からは、喝采も歓呼も起らなか....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
ない。」
「べらぼうめ! すむもすまねえもあるものか! 酒保《しゅほ》の酒を一合
買うのでも、敬礼だけでは売りはしめえ。」
田口一等卒は口を噤《つぐ》んだ。それ....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
に溢《あふ》れすぎているからである。
附記 わたしの甥はレムブラントの肖像画を
買うことを夢みている。しかし彼の小遣いを十円貰うことは夢みていない。これも十円の....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
僕は今度は勢い好く言った。 「ブリッキ!」 しかしそれはいたずらに先輩の冷笑を
買うだけだった。 「ブリッキ? あれはトタンというものだ」 僕はこういう問答の....
「田端日記」より 著者:芥川竜之介
が開闢以来のふくれっ面をして、こちらは十円と云った。誰がそんなふくれっ面の香炉を
買うものか。 それから広小路で、煙草と桃とを買ってうちへ帰った。歯の痛みは、そ....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
屑の薔薇の花を思い出し、「アナトオル・フランスの対話集」や「メリメエの書簡集」を
買うことにした。 僕は二冊の本を抱え、或カッフェへはいって行った。それから一番....
「佐藤春夫氏の事」より 著者:芥川竜之介
なる点にあり。詩を求めずして佐藤の作品を読むものは、猶|南瓜を食わんとして蒟蒻を
買うが如し。到底満足を得るの機会あるべからず。既に満足を得ず、而して後その南瓜な....
「夏目先生と滝田さん」より 著者:芥川竜之介
われたらしいんです。だから夏目先生のものは随分沢山持っていられました。書画骨董を
買うことが熱心で、滝田さん自身話されたことですが、何も
買う気がなくて日本橋の中通....