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「買占め〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

買占めの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
っているらしい。人の噂では、日清戦争頃に、秋田あたりの岩緑青《いわろくしょう》を買占めにかかったのが、当ったので、それまでは老鋪《しにせ》と云うだけで、お得意の....
鉄鎚」より 著者:夢野久作
てんてこまい》をしなければならなかった。 「……米国某新聞系大手筋のキューバ糖大買占め……紐育《ニューヨーク》の砂糖が一躍暴騰して、砂糖節約デーの実施運動起る…....
黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
ぎつけられて終った。 子爵二川重明が、乗鞍岳の飛騨側の頂上近い数百町歩の土地を買占めただけなら兎に角、そこの大雪渓を人夫数十人を使って掘り始めたというのだから....
足迹」より 著者:徳田秋声
衆のまごついているのを、田舎に傍観している父親のことが、また噂された。廃れ株の買占めで失敗ってから、家のばたばたになった本家の後始末に気骨を折っている父親が、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
御用になったものだが、それをいい気になって、近頃は山師が入りこんで、その石灰山を買占める、正直な山持たちは、山の売値がいくらか割がいいというところに釣込まれて、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ました。 「お救い米」が済んだ後で、諸色《しょしき》が高くなるにつれて、売惜み、買占めをする奴がある、それを制するためにお代官が建てたものだということまでは知ら....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
りませぬ――とかなんとか挨拶しおったわい。いかにも残念千万――怪しからん、子供の買占めとは怪しからん、つれて来いと怒鳴ってやったが、子供の方から押しかけて来てく....
尹主事」より 著者:金史良
こらが一等の候補地でやすよ」するとそれをうけて阿彌陀聲がぼやく。 「うむ。今の所買占めて來月からでも起工するとしようかね」 主事は地に片手を棹さし首を長くして....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
綿の晒《さらし》にもSFが入るので、あなたの肌襦袢《はだじゅばん》のために大なる買占めをして一反サラシを買いました(!)では又。かぜを引かないで下さい。 二月....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
ッカとなった熱海は、コモもいるし、棺桶もいる。観音教の教祖は熱海の別荘をあらかた買占めて、はるか桃山の山上に大本殿を新築中であるが、自殺者の屍体収容無料大奉仕と....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
かるのであったから、日頃着実な地方の農家までが競って思惑株に手を出し、また土地の買占めをするものがあったりして、ほとんど国をあげて投機の熱病に罹った観があった。....
三筋町界隈」より 著者:斎藤茂吉
隠れて煙草を喫んでいるのを瞥見して、この禁煙令はいまに破れると見越をつけて煙管を買占めたという実話がある。昼食のとき私はこの実例を持出して笑談まじりに呉院長を説....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
《ジェネラル》、今年はキャヴァリエールの方面までお手を伸されたそうですが、花畠の買占めはチト横暴ですナ。※先んずれば人を制すサ。貴公もおおいに戦略を用いて対抗す....
麦の芽」より 著者:徳永直
成り上り者と蔭口云うように、この山荘庵の主人はわずか十四五年のうちに、この村中を買占めてしまった大地主だった。 「ヨッチ――ヨッチ」 土堤下から畑のくろつく足....
」より 著者:永井荷風
が絶えず憎んで居る貧民窟《ひんみんくつ》である。もともと分れ分れの小屋敷を一つに買占めた事とて、今では同じ構内《かまえうち》にはなって居るが、古井戸のある一隅《....