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買込
「買込〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
買込の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
衣兜に捻込んだ。――三日目に、仕入の約二十倍に売れたという 味をしめて、古本を
買込むので、床板を張出して、貸本のほかに、その商をはじめたのはいいとして、手馴れ....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
年、二年、三年と、段々店が寂れまして、家も蔵も旧のようではなくなりました。一時は
買込んだ田地なども売物に出たとかいう評判でございました。 そうこういたします内....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
た。その頃どこかの気紛れの外国人がジオラマの古物を横浜に持って来たのを椿岳は早速
買込んで、唯我教信と相談して伝法院の庭続きの茶畑を拓き、西洋型の船に擬えた大きな....
「雷門以北」より 著者:久保田万太郎
で、吉右衛門だの、小伝次だの、宗之助だの、当時浅草座出勤少年俳優の写真をわたしは
買込んだことだろう。そのまえを通れば必ずわたしは祖母をせがんだ。――いうまでもな....
「骨董」より 著者:幸田露伴
の讃が金で書いてある顔回の瓢、耶蘇の血が染みている十字架の切れ端などというものを
買込んで、どんなものだいと反身になるのもマンザラ悪くはあるまいかも知らぬ。 骨....
「怪奇人造島」より 著者:寺島柾史
、日本の極北パラムシロ島近海へ往って、何食わぬ顔で、日本の漁船から、紅鮭をうんと
買込んで、ラッコやオットセイといっしょに、冷凍室に詰込んでしまった。 それは、....
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
》先で、小野田が知合になった生花《はな》の先生が出入《ではい》りしたり、蓄音器を
買込んだりするほど、その頃景気づいて来ていた店の経済が、暗いお島などの頭脳《あた....
「躯」より 著者:徳田秋声
分じゃもう如何しても戦に行くつもりで、服なども六七|着も拵らえる。刀や馬具なども
買込んで、いざと言えば何時でも出発が出来るように丁と準備が整えている。ところが秋....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
か》せる。だから川止めで宿銭をドシドシ取られるような苦痛は無いが長くなると食料を
買込む位の費用はかかる。 私ども一行は大阪で食料等を準備し、藩の所有の荷船を特....
「大阪を歩く」より 著者:直木三十五
ない所が、役人の役人たる所以であろう。 年度末になって予算が余ると、不用な品を
買込んで、一文も残らず使ってしまうのが日本の役所である。そうしないと、来年の予算....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
るべく、木更津船《きさらづぶね》に乗込みました。 その昔お角が、清澄の茂太郎を
買込みに行く時に乗込んで、大難に遭《あ》ったのとおなじ航路で、おなじ性質の乗合船....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
鉄砲を仕入れるには、いい船を持たなければならない。 いい船を持って、いい鉄砲を
買込んで、これを盛んに売れば、人に戦争をさせておいて、自分が丸儲けをする。 お....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
んで、幾夜、宵寝の夢を寒からしめたことか。 よって、木曾の産物の獣の皮の一片を
買込んで、うまく額のところをごまかし、余れる毛を器用に取結んで、どうやら昔の道庵....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
見世物をコワしたり、良家へ因縁をつけてみたり、手に負えないところを幕府の陸軍頭が
買込んで、浜から千人、こちらから千人、それに洋服を着せて団袋《だんぶくろ》をはか....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
ーフ・アドルフは大変に珍しいもの好きで、赤道直下の彼の倉庫にはストーヴがしこたま
買込まれていた。彼は白人を三通りに区別していた。「余を少しく欺《だま》した者」「....