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「貸与〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

貸与の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
た。 「なおまた故人の所持したる書籍は遺骸と共に焼き棄て候えども、万一貴下より御貸与《ごたいよ》の書籍もその中《うち》にまじり居り候|節《せつ》は不悪《あしから....
乞食学生」より 著者:太宰治
ストじゃありません。」壁に掛けてある制服と制帽を颯《さ》っとはずして、百万円でも貸与する時のように、もったいぶった手つきで私のほうに差し出した。「お気に召します....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
するが、あとあとはまたあとあとで急飛脚でも立てましょうゆえ、さしあたり百金ほどご貸与くださりませ」 「いかにものう」 おねだりをする人間が、じゃりを食ったり、....
」より 著者:島木健作
である。――よほど後のことではあるが、太田は教誨師《きょうかいし》を呼んで書籍の貸与方を願い出たことがあった。監房に備えつけてある書籍というものは、二、三冊の仏....
新生」より 著者:島崎藤村
とも書いてよこした。婆やは今でも時々訪ねて来てくれるが、自分は家にある雑誌なぞを貸与えて婆やの機嫌《きげん》を取って置いたと書いてよこした。「婆やは可恐《こお》....
食魔」より 著者:岡本かの子
荒木家の抱えのようになったので、蛍雪は鼈四郎にこの市隠荘を月々僅な生活費を添えて貸与えた。但し条件附であった。掃除をよくすること、本座敷は滅多に使わぬこと――。....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
れなるハガキ着次第どうぞ御封筒の中に三銭切手百枚御入れ御送りの上、自分出獄まで御貸与いたゞけますよう御願いいたします。如何折返し何れの御返事を願います」 こう....
奇賊悲願」より 著者:海野十三
永い間ひそかに尊敬している心友の許へ出掛けて行き、すべてをぶちまけて、よい智慧の貸与とその協力とを乞うたのであった。 「それは同情する。君としちゃあ、このまま放....
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
多の人の手にかかりたるやも知れざる品、むかし宋の徽宗皇帝は秘蔵の名硯を米元章に御貸与えになり、一度臣下の手に触れたものは、また用い難いとあって、そのまま元章にお....
東京要塞」より 著者:海野十三
て、帝国大学の地震学教室に駈けつけた。そこで教授に面会して、携帯用の自記地震計の貸与方を願いいでた。教授は事情を聞いて、快く教室にあるだけのものを貸してくれた上....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
さてここから活動は道徳圏内を抜け出て実際的になるので、身売金の代りになる金銭の貸与、職業の周旋、等が身売防止運動の活動となる。無論こうなれば、前の離村防止など....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
っていたから。与える者に与えよである。ワルトハウスは彼らに、自分の名前と財産とを貸与していた。彼らは彼に、自分らの才能と実務的精神と読者とを貸与していた。彼らは....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
なる形式においても、自己の利益のために、出版し、発行し、翻刻し、印刷し、翻訳し、貸与し、販売し、音楽会、奏楽珈琲店、舞踏会、劇場、などにて演奏させ、いかなる楽器....
純粋経済学要論」より 著者:手塚寿郎
八一、一八二 生産資本による収入及び動産資本の生産。一八三 資本のみが実物による貸与が可能である。資本の貸与は用役の販売である。一八四 地主、労働者、資本家、企....
今昔茶話」より 著者:国枝史郎
し、皮肉な、陰険な、女性的迫害を加え、首都ペテルブルグ中で、泊るに旅館の一室をも貸与しないような酷遇をしたことである。 ところが、このサバリーが、又、めずらし....