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貸座敷
「貸座敷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
貸座敷の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ら、高輪の大木戸を境にして、品川、鮫洲、大森のあたりを遊び歩いていました。品川の
貸座敷などを素見《ひやか》すのもありましたが、その頃はどこでも外国人を客にしませ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ていますが、町奉行所の申渡書では品川|宿旅籠屋安右衛門|抱とありますから、品川の
貸座敷の娼妓ですね。その娼妓のお琴という女が京都の日野中納言家の息女だと云って、....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
手から出火して、廓内百六十戸ほどを焼いたことがある。無論に引手茶屋ばかりでなく、
貸座敷も大半は煙りとなって、吉原近来の大火と云われた。それから四、五日の後に半七....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
しいのですが、そのゆくえは判りませんでした。それから一年ほど経ってから、神奈川の
貸座敷に手取りの女がいて、その右の頬にかすり疵のあとがあると云う噂でしたが、それ....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
以上をかぞえた人家が今では僅かに三十二戸に減ってしまったと云います。 「なにしろ
貸座敷が無くなったので、すっかり寂れてしまいましたよ。」 「そうかねえ。」 わ....
「鷭狩」より 著者:泉鏡花
れは……対手は大紳士だ。」と客は歎息して怯えたように言った。 「ええ、何ですか、
貸座敷の御主人なんでございます。」 「
貸座敷――女郎屋の亭主かい。おともはざっと....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
遊ぶ、時々父は私を彼が妾宅へ連れて行く。その家の戸口には、角行燈がかかってあり御
貸座敷と記してあった。 そこでは「ぼんぼん、ええもの買うてあげまよ」といって芸....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
しょう」 茂「まア宜いじゃア無いか、今夜は泊って往き給え、是から福井町へ帰れば、
貸座敷と云っても余り好いのは無いが色を売る処、殊に君は独身者だから遊女にでも引ッ....
「寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
が思いやられる。 三十一日は利根の渡を越えて、中田の駅を過ぎる。紀行には「左右
貸座敷軒をならべ、剥げちょろ白粉の丸ポチャちら/\見ゆる。」とあって、ここで「あ....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
ない。それを思うと板前さんの稼ぎなんて心細くて、たよりない。吉原で相当格式のある
貸座敷の主人がワケがあって近々廃業帰国することになり、家財も娼妓もついたまゝ八千....
「月の夜がたり」より 著者:岡本綺堂
学舎の学生という名をしばしば見た。梶井もその一人で、かれは二十二の秋、吉原のある
貸座敷で娼妓とモルヒネ心中を遂げてしまった。ひとり息子で、両親も可愛がっていたし....
「蜘蛛の夢」より 著者:岡本綺堂
だんに深入りをして、ほとんど夢中になってしまったのでございます。四谷辺では新宿の
貸座敷の近所にある引手茶屋や料理茶屋の奥二階を会場にきめて、毎日のように勝負を争....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
く明るい右の方へ行きますと、道の右左ともに二階建の大きな家が並んでいます。それは
貸座敷なのです。表二、三間は細い格子になっており、中は広い座敷で、後は金箔を押し....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
くようなあの三絃の音締めがして、そしてあのエンヤラヤアノヤアヤである。 大きな
貸座敷風の構えも一戸二戸はあった。大概はまた待合風の怪しい景情であった。 「よう....
「雷門以北」より 著者:久保田万太郎
つるよし」のおばアさんというのは、わたしと同じ級に女の子をよこしていた吉原のある
貸座敷の隠居で、始終その子に附いて来てはとも/″\一日学校にいた。外の附添いたち....