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費用
「費用〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
費用の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文章」より 著者:芥川竜之介
ることを忘れなかった。この町の人々は子供の時から無数の葬式を見ているため、葬式の
費用を見積《みつも》ることに異常の才能を生じている。現に夏休みの一日前に数学を教....
「煙管」より 著者:芥川竜之介
そめたのである。
加州一藩の経済にとっては、勿論、金無垢の煙管《きせる》一本の
費用くらいは、何でもない。が、賀節《がせつ》朔望《さくぼう》二十八日の登城《とじ....
「或る女」より 著者:有島武郎
るつもりだったが、それができなくなったから、この後とも定子をよろしく頼む。当座の
費用として金を少し送っておくという意味を簡単にしたためて、永田から送ってよこした....
「或る女」より 著者:有島武郎
いた。木村を犠牲にしてまでも倉地におぼれ込んで行く自分があわれまれもした。倉地が
費用の出所をついぞ打ち明けて相談してくれないのが恨みがましく思われもした。知らず....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
かっこう》な二階建ての板家に過ぎないのだけれども、その一本の柱にも彼れは驚くべき
費用を想像した。彼れはまた雪のかきのけてある広い往来を見て驚いた。しかし彼れの誇....
「星座」より 著者:有島武郎
いうのを一日延ばしに延ばさせていた。始めの間こそは新井田氏もより進んだ発見が工作
費用を節減するものと感じて根気よくその成就を待っているようだったが、計算の仕事が....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
困っちまう。千と千五百と纏ったお金子で、母様が整理を着けたのも二度よ。洋行させる
費用に、と云って積立ててあった兄さんの分は、とうの昔無くなって、三度目の時には皆....
「親子」より 著者:有島武郎
ともに見てこう詰るように言った。 「あまり古くなりましたんでついこの間……」 「
費用は事務費で仕払ったのか……俺しのほうの支払いになっているのか」 「事務費のほ....
「政治に関する随想」より 著者:伊丹万作
規を改め、これを候補者以外の多数の推薦者の意志に置くことに改め、候補者自身は選挙
費用として一銭の支出も許さぬことにしなくては理想的な選挙はとうてい望み得ないと信....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
も鎔解しにくい合金は出来まいか。」という質問をよこしたこともある。「実験に入要な
費用は別に払うから」ということまで、附記して来た。 ファラデーの返事は大抵簡単....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
。一見他に意味なきがごとくなれども、ロセツの真意は政府が造船所の経営を企てしその
費用の出処に苦しみつつある内情を洞見し、かくして日本政府に一種の財源を与うるとき....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
人のうち一人はこの場合死ななけりゃならないんだ。あとの四人が画を描きつづけて行く
費用を造り出すための犠牲となって俺たちのグループから消え去らなければならないんだ....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
ては、親仁の名誉のため、心血を灌いだ出品をするように、――大仕事となれば、いずれ
費用も掛ろう。手間も要ろう。官より直接とは参らぬが、そこは有志の資本家と内約が結....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
会党としては、その掛金は収入によって考えて、さらに国民年金の運営については、その
費用は国家が負担し、積立金も勤労国民大衆のために使う、この福祉に使うということを....
「色盲検査表の話」より 著者:石原忍
いう考えであったのであります。 しかしこの考えを実行に移すには少からざる労力と
費用とを要しますので、しばらくの間そのままになっていました。 その後五、六年を....