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貼
「貼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
貼の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
》をくわえながら、端然と座敷のまん中に控えている。彼の書斎には石刷《いしずり》を
貼《は》った屏風《びょうぶ》と床にかけた紅楓黄菊《こうふうこうぎく》の双幅とのほ....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
まで心を痛めて、御屋形の門々《かどかど》に陰陽師《おんみょうじ》の護符《ごふ》を
貼りましたし、有験《うげん》の法師《ほうし》たちを御召しになって、種々の御祈祷を....
「影」より 著者:芥川竜之介
がれている。
女はまだ見た所、二十《はたち》を越えてもいないらしい。それが壁へ
貼った鏡を後に、絶えず鉛筆を動かしながら、忙《せわ》しそうにビルを書いている。額....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
玉の簫《しょう》などもかかっている。壁には四幅《しふく》の金花箋《きんかせん》を
貼って、その上に詩が題してある。詩体はどうも蘇東坡《そとうば》の四時《しじ》の詞....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
これは?」
牧野はお蓮が礼を云う間《あいだ》に、その缶詰を取り上げて見た。
「
貼紙《ペーパー》を見給え。膃肭獣《おっとせい》だよ。膃肭獣の缶詰さ。――あなたは....
「水の三日」より 著者:芥川竜之介
。外の壁へは、高田先生に書いていただいた、「ただで、手紙を書いてあげます」という
貼紙《はりがみ》をしたので、直ちに多くの人々がこの窓の外に群がった。いよいよはが....
「葱」より 著者:芥川竜之介
くび》の細い硝子《ガラス》の花立てにさした造花の百合《ゆり》を照らしている。壁に
貼ったラファエルの小さなマドンナを照らしている。そうしてまたお君さんの上を向いた....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
のは実物の遺書ではありません。しかしわたしの宿の主人が切抜帖《きりぬきちょう》に
貼《は》っておいた当時の新聞に載っていたものですから、大体間違いはあるまいと思い....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
て来る。」
彼が茶の間から出て行くと、米噛《こめか》みに即効紙《そっこうし》を
貼ったお絹は、両袖に胸を抱《だ》いたまま、忍び足にこちらへはいって来た。そうして....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
も、至る所に窺《うかが》われるのであった。殊に紅唐紙《べにとうし》の聯《れん》を
貼《は》った、埃《ほこり》臭い白壁《しらかべ》の上に、束髪《そくはつ》に結《ゆ》....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
理の屋敷を立ち退《の》いた。作法《さほう》通り、立ち退き先の所書きは、座敷の壁に
貼《は》ってある。槍《やり》も、林右衛門自ら、小腋《こわき》にして、先に立った。....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
たためかもしれない。また平生見かける相撲が――髪を藁束ねにした褌かつぎが相撲膏を
貼っていたためかもしれない。 一九 宇治紫山 僕の一家は宇治紫山とい....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
わした。埃じみたカッフェの壁には「親子丼」だの「カツレツ」だのと云う紙札が何枚も
貼ってあった。 「地玉子」 僕はこう云う紙札に東海道線に近い田舎を感じた。それ....
「「菊池寛全集」の序」より 著者:芥川竜之介
しいものは、実に菊池寛自身である。彼は作家生涯を始めた時、イゴイズムの作家と云う
貼り札を受けた。彼が到る所にイゴイズムを見たのは、勿論このリアリズムに裏書きを与....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ファラデーはある日|賑やかなフリート町を歩いておったが、ふとある家の窓ガラスに
貼ってある広告のビラに目をとめた。それは、ドルセット町五十三番のタタム氏が科学の....