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「貼札〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

貼札の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
羅生門の後に」より 著者:芥川竜之介
云い、新技巧派と云う名称の如きは、何《いず》れも自分にとっては寧《むし》ろ迷惑な貼札《はりふだ》たるに過ぎない。それらの名称によって概括される程、自分の作品の特....
業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
と斯様《かよう》な者が殺害《せつがい》されている、心当りの者は引取りに来いという貼札《はりふだ》が出る。家主《いえぬし》も驚きまして引取りに参り、御検視お立会《....
箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
はなかった。綾衣も帰すはずはなかった。「居続客不仕候」などと廊下にしかつめらしい貼札があっても、それはほんの形式に過ぎないことは言うまでもない。こういう朝にこそ....
新生」より 著者:島崎藤村
の鞄もまだそのままにして置いてあった。往《ゆ》きと還《かえ》りの船床の番号だの、貼札《はりふだ》だの、海外の諸国を廻ったそれらの印の附いた鞄の中からは、岸本が巴....
生きている腸」より 著者:海野十三
とった。そしてそれを排水口に流した。 そのあとで、薬品棚から一万倍のコリン液と貼札してある壜を下ろし、空のピューレットをその中にさしこんだ。 液は下から吸い....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
とる。片手にアルミの凸凹水筒あり。目の前の食堂には、まぐろさしみ一人前金五円の大貼札があって、二十四、五人が列をなしていた。 ◯きょうの買物 ヘアピン 二十四....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
れる患者は久松でなければならない。そこで、お染の闖入を防ぐには「久松留守」という貼札をするがいいと云うことになった。新聞にもそんなことを書いた。勿論、新聞ではそ....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
あたりより、二丁目三丁目と下がりては戸ごとに「徴発ニ応ズベキ坪数○○畳、○間」と貼札して、おおかたの家には士官下士の姓名兵の隊号|人数を記せし紙札を張りたるは、....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
りの骨董屋だったという四十男の店などには、古渡り唐物とか、古代蒔絵とか、仰々しい貼札しての古道具ずらりと陳べて、いやに客の足元から顔色を窺う無気味さ、こうしたの....
絵本の春」より 著者:泉鏡花
膝の傍へ。――気をはっきりとしないか。ええ、あんな裏土塀の壊れ木戸に、かしほんの貼札だ。……そんなものがあるものかよ。いまも現に、小母さんが、おや、新坊、何をし....
世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
の友人には、半分裏切られたひいき読者としての感情も伴って、『朝日新聞』お断わりの貼札を出したものが、決して少なくはないのだ。 尤も『朝日新聞』がこうした転身を....
盗まれた手紙」より 著者:佐々木直次郎
るような名を選ぶのだ。そういう文字は、あまり大きすぎる字で書いてある往来の看板や貼札と同じように、あまり明瞭すぎるためにかえって人眼につかない。そしてこの物理的....
雪柳」より 著者:泉鏡花
から戸崎町の有名な豆府地蔵へ参ろうと、御殿町へ上ると、樹林|一構、奥深い邸の門に貼札が見えたのです――鷺流狂言、開興。入場歓迎。――日づけが当日、その日です。時....
二階から」より 著者:岡本綺堂
かれる患者は久松でなければならない。そこでお染の闖入を防ぐには「久松留守」という貼札をするがいいということになった。新聞にもそんなことを書いた。勿論、新聞ではそ....
審判」より 著者:カフカフランツ
の生活にあっては、そんなことはよろこんであきらめきりたい気持だった。 Kがまだ貼札の前に立っていると、一人の男が階段を登ってきて、開いた扉から居間をのぞきこん....