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貼紙
「貼紙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
貼紙の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
これは?」
牧野はお蓮が礼を云う間《あいだ》に、その缶詰を取り上げて見た。
「
貼紙《ペーパー》を見給え。膃肭獣《おっとせい》だよ。膃肭獣の缶詰さ。――あなたは....
「水の三日」より 著者:芥川竜之介
。外の壁へは、高田先生に書いていただいた、「ただで、手紙を書いてあげます」という
貼紙《はりがみ》をしたので、直ちに多くの人々がこの窓の外に群がった。いよいよはが....
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
うに、澄ましこんでいる。 「商談、お待ち合わせにお利用下さい」 という女文字の
貼紙の下で、あたかも誰かを待ち合わせているかの如き顔をしているのだが、むろん誰を....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
る正面の入口からはいる気がせず、「男ボーイ入用」「雑役夫入用」「淑女募集」などの
貼紙が風にはためいている勝手口から飛び込んだ。 そこにボーイがいて「なんぞ用だ....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
理、じぶ、おこのみなどという立看板を軒に掲げる。鶫うどん、鶫|蕎麦と蕎麦屋までが
貼紙を張る。ただし安価くない。何の椀、どの鉢に使っても、おん羮、おん小蓋の見識で....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
出際、「老鴉」なる酒場にてお待ち申しおり候、目印しは、ジルベーのジンと書いてある
貼紙の下。 K・M生 未知の国|売物――じつに空前絶後ともいう奇怪なことである....
「戦時旅行鞄」より 著者:海野十三
クに近づいた。 そのタンクは、扉を開こうとしても開かなかった。ただタンクの上に
貼紙がしてあった。 「午後四時までこの中にて熟睡する故、何者もわが熟睡を妨ぐるな....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
ほんのりと、薄い霧に包まれた、白砂の小松山の方に向ったのである。 小店の障子に
貼紙して、 (今日より昆布まきあり候。) ……のんびりとしたものだ。口上が嬉....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
に小草の影は無い、染次、と記した一葉のみ。で、それさえ、もと居たらしい芸妓の上へ
貼紙をしたのに記してあった。看板を書かえる隙もない、まだ出たてだという、新しさよ....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
に立留まって、その出て来るのを待ち合せた。 門の柱に、毎月十五十六日当山説教と
貼紙した、傍に、東京……中学校水泳部合宿所とまた記してある。透して見ると、灰色の....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
草を買いに、とある雑貨店に立寄った。その店先に、「琉球泡盛あり」と埒もなく書いた
貼紙が出ている。コップ飲をさせるというのである。鶴見はそれが場所にふさわしくない....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
ころがその愛国銀行が放漫な放資政策を取ったために名古屋で取付けに会い、支払停止の
貼紙をせねばならぬことになったのである。そして愛国銀行の破綻は自ら北九州鉱業会社....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
へ行っている娘は手芸を丹精して贈りましょうし、幼稚園へ通っている末の子は富士山の
貼紙細工でもして贈りましょう。また書生さんは郷里から産物でも取り寄せて贈るかも知....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
ったまま、 「このお歌を拝見いたしまするとお。」と一々に演説口調でいう。 私は
貼紙の傍まで行って、朱筆で、難点に傍線を引いて、何かと指摘しては、こうむつかしく....
「四つの都」より 著者:織田作之助
戸締りがしてある。 「時局に鑑み廃業、一家を挙げて産業戦士に転向仕候」 と書いた
貼紙がしてある。 その前に庄平が佇んでいる。 音楽が聞えている。然し、それは近く....