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「賄う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

賄うの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
深夜の市長」より 著者:海野十三
から、そっちへ引越をせんか、もし引越しをするなら、室代を無料にした上、三食を只で賄うようにしてやるから、行く気はないか――などと大層なことをぬかしやがった」 「....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
場全盛の時代を過ぎた今日となっては、茶屋、旅籠屋をはじめ、小商人、近在の炭薪等を賄うものまでが必至の困窮に陥るから、この上は山林の利をもって渡世を営む助けとした....
風流仏」より 著者:幸田露伴
なかるべし、ナニ話に来るは謝絶と云わるゝか、それも承知しました、それならば食事を賄うより外に人を通わせぬよう致しますか、然し余り牢住居の様ではないか、ムヽ勝手と....
ソヴェト・ロシアの素顔」より 著者:宮本百合子
に於ける七十五パーセントの労働者とその家族五十パーセントの料理を公衆食堂でもって賄うことが出来るようにしようという理想でやっており、着々進んでいる。この台所工場....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
が一人の下《しも》女中を雇っている世帯へ、食事は御番《ごばん》――主人の食事係が賄うことにして、部屋だけ居候だった。 老女中さんたちは自分賄いの共同台所をもっ....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
え商売の利幅を二割と見てもすでにその半ばを失っており、残余の一割で店員のすべてを賄うこととなるのであるから、商売も全く容易でない。しかし商売の経験のないものは、....
食べもの」より 著者:佐藤垢石
ては、政府は随分苦心していることであろう。国民をもれなく平等に、欠くるところなく賄うのは、まことに困難な業だ。 さればこそ、このむずかしい、世相になっても、主....
にらみ鯛 」より 著者:佐藤垢石
で立て替え支弁をなし、その翌年度の収納でこれを償い、なおその余りで年度の末までを賄うありさまであった。謂わば遣り繰り算段であったのである。 又このようにご窮乏....
三国志」より 著者:吉川英治
約している覚えもありませんが」 「いや、やはりどこか、遠慮があるのだろう。曹操が賄うている以上は、何不自由もさせないつもりでおるのに――なにも、新しい衣裳を惜し....