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賛美
「賛美〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
賛美の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青木の出京」より 著者:菊池寛
らかに青木が彼の憐憫《れんびん》を乞うているのを感じた。雄吉と同じく、極度に都会
賛美者であった青木が、四、五年振りに上京した東京を、どんなに愛惜しているかを、雄....
「忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
晴々とした心持であった。そこに並んでいる大名小名百二十名は、ことごとく忠直卿に
賛美の瞳を向けているように思われた。 彼は今まで自分の臣下の何人よりも、自分が....
「奈々子」より 著者:伊藤左千夫
り離さんと工夫するのが人間の心である。哲学がそれを謳歌《おうか》し、宗教がそれを
賛美し、人間のことはそれで遺憾《いかん》のないように説いている。 自分は今つく....
「仇討三態」より 著者:菊池寛
盛次郎は新たに十五石五人扶持を給うて近習の列に加えられた。 一藩は兄弟に対する
賛美で、鼎の沸くようであったが、その中で、鈴木兄弟だけは無念の涙をのんでいた。 ....
「あの時分」より 著者:国木田独歩
ましたが、私は頭を振って、黙って後ろのほうの席に小さくなっていました。 牧師が
賛美歌の番号を知らすと、堂のすみから、ものものしい重い、低い調子でオルガンの一く....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
に次いで来た深甚な沈退時代を見るにつけてもなおさら我々はこの隆盛期に対して完全な
賛美を捧げないわけにはゆかないのである。この時代にはもはや文字記録は寺院僧侶とい....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
徒達と一緒に見送りに行った。松の多い静な小山の上にOの遺骸が埋められた。墓地でも
賛美歌が歌われた。そこの石塔の側、ここの松の下には、Oと同級の生徒が腰掛けたり佇....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
も切っても汚い、黄色な膿がどぶどぶ出る。君らは鏡に向かって自分の強く美しき肉体を
賛美することは知ってても、肺病患者が人知れず痰を吐いて、混血の少ないのにほっと息....
「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
リッパイに伝道に赴き、その地で投獄せられた。「夜半ごろパウロとシラスと祈りて神を
賛美するを囚人ら聞きいたるに、俄かに大いなる地震おこりて、牢舎の基ふるい動き、そ....
「学生と生活」より 著者:倉田百三
るイデアリストの詩人、思想家も、彼が童貞を失った後にそれ以前のような至醇なる恋愛
賛美が書けるはずはない。自分の例を引けば、「異性の内に自己を見出さんとする心」を....
「丸の内」より 著者:高浜虚子
いつの時代を切り離して見ても、その時代の人はその時代の文明を一番立派なものとして
賛美していたろう。たとえば今博物館内の表慶館に並べてあるような贅沢の限りを尽した....
「世界の「料理王逝く」ということから」より 著者:北大路魯山人
「世界の食通から『料理の王』と
賛美されたフランス随一の板前オウグュスト・エスコフィエ老がこのほど亡くなった。 ....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
て八億万円の富を貯積したり、鉱夫より出でて銅御殿を建てたるものあり。その徳や実に
賛美して余りあり」 こんなことを教えておると、生徒の中で、 「先生! 先生が貧....
「凍るアラベスク」より 著者:妹尾アキ夫
て固めたように美しかった。三人はひとしきり麻痺したように佇んで、驚きと、畏敬と、
賛美と、恐怖のまじった心で、この尨大な、光る氷の宝石を眺めた。 そして暫くして....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
っすりと眠りこけてしまった。 どのくらいたったか私は無情にもたたき起こされた。
賛美歌の声に送られながら私は再び夜の町に追い出されたのである。四月には珍しい寒い....