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賜る
「賜る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
賜るの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「おしの」より 著者:芥川竜之介
《はりきぼとけ》に一生|仕《つか》えるのもかまいません。どうか冥護《みょうご》を
賜るように御祈祷をお捧げ下さいまし。」
女の声は落着いた中に、深い感動を蔵して....
「真田幸村」より 著者:菊池寛
信尹、再び幸村に対面してかく言うと、「信濃一国は申すに及ばず、天下に天下を添えて
賜るとも、秀頼公に背きて不義は仕らじ。重ねてかかる使をせられなば存ずる旨あり」と....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
いようとはしない。これは官等の高下をも明かにしない予にとって、白頭と共に勅任官を
賜るよりは遥に居心の好い位置である。この意味に於て、予は予自身の為に心から予の入....
「死者の書」より 著者:折口信夫
の半以上は、太宰帥のはなばなしい生活の装いとして、連れられて行っていた。宮廷から
賜る資人・※仗も、大貴族の家の門地の高さを示すものとして、美々しく著飾らされて、....
「魔都」より 著者:久生十蘭
ぬ行動だったからです。ふつうあるが如くに、主要なポストで車を停めて、慰労の言葉を
賜るようなことが一度もなかった。いわば逃げるが如くに通過されたので、警戒員は敬礼....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
教宗の制規によるに、婦人子を産すれば、まずその子を寺に送り、洗礼式を受け、法号を
賜る。その後、産室を離るるに当たりて、母自ら礼参として寺に詣するを例とす。なお、....
「三国志」より 著者:吉川英治
張飛の手へ授けて云った。 張飛は、眼をみはって、 「えっ、この品をそれがしに、
賜ると仰っしゃるのですか」 「劉備の寸志です。どうか納めておいて下さい」 「自分....
「三国志」より 著者:吉川英治
分の一しかなかった。 「とても、尋常一様な手段では荊州は還りますまい。私にご一任
賜るなら、遠く溯って、陸口(漢口の上流)の塞外、臨江亭に会宴をもうけ、一日、関羽....
「三国志」より 著者:吉川英治
し、待ちに待っていた時は今眼前に来ている。もし姜維の微心を憐れみ、この衷情を信じ
賜るならば、別紙の計を用いて、蜀軍を討ちたまえ。自分は身をひるがえして、諸葛亮を....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
には、院ノ庄へ行き着くはず。――先へ家来を走らせて、御着の上は、ゆるゆるお休みを
賜るようにしてありまする。何はあれ、院ノ庄までのご辛抱にござりますれば」 と、....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
出ている。 足利高氏を 従三位、左兵衛ノ督に任じ、武蔵、常陸、下総の三ヵ国を
賜る。 同苗、直義には 左馬ノ頭をさずけられ、三河の一部と遠江一国を。 新....
「性に関するアイヌの習俗」より 著者:河野広道
うよう。然らば見られたるや、という。茂左衛門答て如何にも見たりという。さらば償を
賜るべしという(此国の法とて男子女子の陰門を見れば、償を出すことなりという)。茂....