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賞味
「賞味〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
賞味の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
きくなって変わったのには驚いたとか、せっかく寄って作ってくれたごちそうをすっかり
賞味しないうちに帰ったのは残念だが、自分の性分《しょうぶん》としてはあの上我慢が....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
育が、彼女をそうさせたのだった。二三度誘ったが、こりゃ駄目だと思った。そのままで
賞味してしまう手段はあったが、それでは充分|美味しく戴けない。そう悟ったので、僕....
「軍用鼠」より 著者:海野十三
ーセージと来た日にゃ、とても味がいいのですぜ。ヤポン国では、鼠のテンプラといって
賞味してるそうですぜ。だから鼠の肉入りのソーセージは、なかなか値段が高いのです。....
「鮎の食い方」より 著者:北大路魯山人
がなかった。それでも、今からもう二十五年も昔になるが、遂に私もこの洗いを思う存分
賞味する機会を得た。加賀の山中温泉に逗留していた時のことである。 山中温泉の町....
「鮎の名所」より 著者:北大路魯山人
ってよい。見た目に見事なのを喜ぶ者もあるが、これは素人の話、東京でも盛んにあゆを
賞味するので、河岸には日本全国からイヤというほど送られて来るが、東京であゆをうま....
「鮟鱇一夕話」より 著者:北大路魯山人
。ざらにある魚でありながら、鍋料理中もっとも乙なものとされ、高級層にも下級層にも
賞味されている。しかも、それが骨以外捨てどころのないという魚で、肉を除いてはこと....
「欧米料理と日本」より 著者:北大路魯山人
いいたい。欧米人が日本のように、刺身を食う習慣のない理由は、いうまでもなく、生で
賞味できる魚がないからであろう。米人でさえ生のオイスターを自慢で食うところをみる....
「胡瓜」より 著者:北大路魯山人
、小さなのがよい。これは贅沢なシャレた食べ物の場合だが、いいきゅうりの漬けものを
賞味しようと思ったら、やはりあとさきの揃ったものを選ぶべきだ。 漬けものの漬か....
「車蝦の茶漬け」より 著者:北大路魯山人
京の大森、横浜の本牧、東神奈川|辺で獲れる本場と称するものがいい。こういうものを
賞味するようにならなければ、食通とはいえまい。 この食通も、てんぷらなら二十や....
「明石鯛に優る朝鮮の鯛」より 著者:北大路魯山人
とも言えるほど美味しいたいであった。 その後も、到るところで、そのたいを飽かず
賞味して、感心させられることしばしばだった。実際、その辺に移住してきている内地人....
「鮑の水貝」より 著者:北大路魯山人
り焼いたり、手を加えるほど味が崩れることを知っておくことが肝心だ。日本人が刺身を
賞味するのは、総じて魚は生の肉が一番美味いことを証明していると言えよう。 その....
「生き烏賊白味噌漬け」より 著者:北大路魯山人
ある。しかし、知る人の少ないのは惜しい。生きたやりいかを白味噌漬けにする経験や、
賞味する人に至ってはほとんど絶無にちかいかも知れない。これはやりいかの本場に残さ....
「夏日小味」より 著者:北大路魯山人
らないと思う。 白瓜の皮――白瓜、これはあさうりとも、また越瓜ともいう。白瓜を
賞味するのはこれから当分の間である。この白瓜を薄葛の汁椀なぞにつくる場合、大概は....
「猪の味」より 著者:北大路魯山人
長ずるに及んで、その真実なることを経験的に学んだ。今の味覚から言っても、猪の肉を
賞味する時は生後一年の仔猪にかぎる。もしくは二、三十貫の脂肉に富む猪が美味い。だ....
「家庭料理の話」より 著者:北大路魯山人
れているが、私など昔から鯨の美味を知っているので、好んでこれを入れた味噌汁を毎日
賞味して飽きることを知らないくらいだ。しかも、百匁六十円見当という類のない安さで....