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賞玩
「賞玩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
賞玩の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
いないのが玉に傷です。 しかし、うなぎは名人にとって恋人にもまさるほどの、賞美
賞玩《しょうびしょうがん》おかざる大の好物。懐中はよし、御意はよし――。 「みど....
「聖書」より 著者:生田春月
なお進んでは、此家の主人公がこの白銅一個を以て購い得た古書に無限の価値を見出して
賞玩するように、このかわいらしい女中さんも僕の見すぼらしさの中から何等かの価値を....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
「ウフフ。そんなにうれしいか。生きておって仕合わせよのう。身共もうれしいぞ。まだ
賞玩せぬが、ゆうべはけっこうな菓子折、散財かけて済まなかった。早う出い。――京弥....
「大阪を歩く」より 著者:直木三十五
、三寸の高下駄を履くと、五尺八寸以上になる。こんな高い風景は、ビルディングの外、
賞玩に価しない。大阪の女の、背の低い限りに於ては――)。 それに――私は、大阪....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
という事は当然であろう。 その他南洋土人の原始的作品や名もない処の画家の稚拙が
賞玩され、素人画が賞味され、技法の上に取り入れられたりした事も当然の事であろう。....
「アンゴウ」より 著者:坂口安吾
。 新婚は、新しい世界をひらいてくれる。矢島はタカ子がひらいてくれた女の世界を
賞玩した。時には、好奇し、探究慾を起しもした。そういう新しい好奇の世界で、タカ子....
「香気の尊さ」より 著者:佐藤垢石
出して二枚に割き薄く塩して、河原の石にはり付け日光に晒して干物とすれば珍味として
賞玩するに足りる。これはまことに贅沢な食べ物で、人に贈っても甚だ喜ばれるであろう....
「浮世絵画家の肉筆」より 著者:上村松園
筆物は錦絵で見るような、あの魅力がないようです。やはり浮世絵画家の筆は錦絵の上で
賞玩すべきものだと私は思います。 ○ 錦絵のもつあの艶美な夢心地のよ....
「枯尾花」より 著者:関根黙庵
例も大雨の後には寺の裏手の小溝へ出掛け、待網を掛けて雑魚を捕り窃かに寺へ持帰って
賞玩するのだ、この事|檀家の告発に依り師の坊も捨置がたく、十分に訓誡して放逐しよ....
「百花園」より 著者:永井荷風
とに留らず日常坐臥の事まで一として鑑別批判の労をからなくてはならない。之がため鑑
賞玩味の興に我を忘るる機会がない。平生わたくし達は心|窃《ひそか》にこの事を悲し....
「人身御供と人柱」より 著者:喜田貞吉
とて、まさかに人間を常食とし、もしくは鹿肉猪肉などと同じく、珍味嘉肴としてこれを
賞玩したとは思われぬ。古代支那人が人を食ったというのも、怨敵を殺してその報い切れ....
「伝不習乎」より 著者:北大路魯山人
の言葉遣いといい、誠に恐縮せざるを得ないものがある。そこでその花に対する彼女等の
賞玩態度も推して明らかである。花そのものの美は分っても、花の持つ自然の趣は分らな....
「洛北深泥池の蓴菜」より 著者:北大路魯山人
。その新芽がちょうど蓮の巻葉のように細く巻かれた、ようよう長さ五分くらいのものを
賞玩するのである。その針のように細く巻かれた萌芽を擁護しているものが、無色透明の....
「西園寺公の食道楽」より 著者:北大路魯山人
身と背肉とは、全然質がちがってる。棒だらなんぞ食う場合に、食通は必ず脇腹の薄身を
賞玩する。背肉なんかは問題にしない。東京人がまぐろのトロというのを賞味するのも、....
「料理一夕話」より 著者:北大路魯山人
たということである。それを日本がお相伴して、今に至るもお茶人たちはよろこびあい、
賞玩している。さすが美術国日本である。世界中この事実は他に見る能わざる事象であろ....