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賢夫人
「賢夫人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
賢夫人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
うな事でもしたんですか」
「えゝえゝたくさんしましたとも」
「田川夫人に? あの
賢夫人の批難を受けるとは、いったいどんな事をしたんです」
葉子はさも愛想《あい....
「女の決闘」より 著者:太宰治
の。私はおまえを、女房の千倍も愛している。たのむ、女房を殺せ! あいつは邪魔だ!
賢夫人だ。
賢夫人のままで死なせてやれ。ああ、もうどうでもいい。私の知ったことか。....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
う通りになる訳がない。また夫の思い通りになるような妻なら妻じゃない人形だからね。
賢夫人になればなるほど個性は凄《すご》いほど発達する。発達すればするほど夫と合わ....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
一緒に連れて行って、帰国の時そのまま残して来たものだ。 今日の昼も、かの女は、
賢夫人で評判のある社交家の訪問を受け、話の序に、いろいろむす子の、巴里滞在につい....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
のために最も高貴なる記念碑を建立したものと言わねばならぬ」と記している。 この
賢夫人サラーの生涯は、実に一立志伝である。しかのみならず、その夫の遺著に題した序....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
のどん底を、ともかくも切りぬけ、そして今日の輝かしい彦田博士を世に出したお手柄の
賢夫人だった。道子夫人はこのあたりに用事があって、今、かえり道であったのだ。 ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
うして愚図に近いこと――その凡物で、愚図に近い夫を、長い間、面倒を見て来た奥方の
賢夫人ぶりに感心せぬ者はなかったということ。そうして十年の間、連添っているうちに....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
は恋で馬鹿になるよりも、貨幣の理論ではもっと馬鹿になる」と。この老政治家の夫人は
賢夫人で、議会に重大な演説のある日、馬車に同乗して、ドアでひどく指をつめ痛み甚し....
「女大学評論」より 著者:福沢諭吉
、深く之を心に蔵めて随時に活用し、一挙一動一言一話活溌と共に野鄙ならずして始めて
賢夫人と言う可し。左れば前に言う婦人の心得として経済法律云々も、所謂銀行者弁護士....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
生理的な癇癪と結びついていた。そして酒乱の性癖があった。が母は典型的な、明治風の
賢夫人であった。美しく品位のある顔かたち、学問才芸と家政の切りまわし、夫に仕え、....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
の儕輩《さいはい》よりも群を抜いていた。八郎太の妻としては、或いは過ぎたくらいの
賢夫人であった。それだけに、今度のことの責任は重かった。それだけに、八郎太として....
「大橋須磨子」より 著者:長谷川時雨
は、京都の片山九郎三郎のと、とやかくと噂するものもあったが、大橋家には家を起した
賢夫人が姑《しゅうとめ》としてあったからには、そうしたロマンスは紅葉館の花形であ....
「だいこん」より 著者:久生十蘭
うしてそうジタバタするんです。今日ぐらいは落着いていられないんですか」 うちの
賢夫人は丑年《うしどし》生れの大人物で、覚悟をきめて坐りだしたら、背筋をおッ立て....
「あなたも私も」より 著者:久生十蘭
るのがいけないのよ」 「ちょっと、うかがうけど、それは、仕事なの? 遊びなの?」
賢夫人だけあって、こういうやりとりになると、ひとのいちばん痛いところを突いてくる....
「耳香水」より 著者:大倉燁子
か惨殺されていたという事件は、皆さんもまだ記憶していらっしゃいましょう。美人で、
賢夫人で、熱心なクリスト教信者で、まことに評判のよかった奥様であっただけ、あちら....