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賢母
「賢母〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
賢母の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
て選取りにお目に掛けます、小格子の風だ。」 「可いじゃないか、学校の目的は、良妻
賢母を造るんだもの、生理の講義も聞かせりゃ、媒酌もしようじゃあないか。」 とこ....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
え」 その中年夫人は黙っているかの女に、なおも子供の事業のため犠牲になって貢ぐ
賢母である、というふうな讃辞をしきりに投げかけた。 事実、かの女自身も、むす子....
「新ハムレット」より 著者:太宰治
ものです。決して、とやかく口出ししてはならぬものです。あなたのお母さんも、本当に
賢母のようで、私と流儀が違うようですが、けれどもそれは、私でさえ、とやかく言って....
「秋風記」より 著者:太宰治
つけたく思う。 「K、そんなに、さびしいのか。K、おぼえて置くがいい。Kは、良妻
賢母で、それから、僕は不良少年、ひとの屑だ。」 「あなただけ、」言いかけたとき、....
「大阪を歩く」より 著者:直木三十五
、家庭を守る事にのみ、専心してしまう。 それは、確に、一九三〇年までの、良妻、
賢母であるが、其の後女性は、妻と同時に、恋人、それからダンサア、それから、職業の....
「技術の哲学」より 著者:戸坂潤
らないだろう。ブルジョア教育制度は初め、学問の蘊奥や国家に枢要な知識や人材や良妻
賢母等々のありと凡ゆる理想の下に、もっと「健全」な計画を立てた筈であった。という....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
立第一高女の校長市川源三氏は、その公民科教科書『現代女性読本』に於て、新しい良妻
賢母主義、即ち妻の身分上の独立に基く良妻
賢母主義を提唱した。処が、それが果せる哉....
「野ざらし」より 著者:豊島与志雄
の学究者でして、生活が華やかでない代りに、至って真面目だったのです。妻は所謂良妻
賢母といった型《タイプ》の女で、几帳面に家事を整えてくれました。で僕達はまあ幸福....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
および芸術の最近の傾向などに気をつけるのと、同じかわいい冷やかな勉励さで、家庭の
賢母として子どもの世話をしていた。そういう中にあって彼女は、進んだ理論や極度に頽....
「青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
り変りには風馬耳、その時々の愉しみを見つけて滑りこむ。日頃オサンドンの訓練、良妻
賢母、小笠原流、窮屈の極点に痛めつけられているから単純な遊びでも御満悦で、戦争の....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
業にイノチをうちこむのよ。私はそんなふうに生れついた女ですから。記代子さんは良妻
賢母に生れついた方。結婚までの社会見学に働いてみる程度の軽い気持でなければいけな....
「生活と一枚の宗教」より 著者:倉田百三
ても、学校を落第しない程度に恋愛して、暮らしに困らない程度に子どもを生んで、良妻
賢母でゆきますならば、非難なくやってゆけるわけであります。忠実な夫、忠実な妻君で....
「孟母断機」より 著者:上村松園
の責任の重大であることを痛感しないではいられない。 息軒先生のご名言のごとく、
賢母の子に愚なものはひとりもないのである。 昔から名将の母、偉大なる政治家の母....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
のでありますから、その国の婦女子の事を軽々に看過することは出来ない。独立心の強い
賢母の下には米国を独立せしめたるジョージ・ワシントンの出たことを見ても分ります。....