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賤しむ
「賤しむ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
賤しむの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
は唯呆気に取られ「権田さん貴方の言う事は少しも私に分りません、何で秀子が生涯私を
賤しむ様にならねば其の濡衣を乾す事が出来ませんか。其の様な其の様な理由は何所に在....
「重兵衛さんの一家」より 著者:寺田寅彦
光景が、何かひどく悪い事でもしている現場を見届けでもしたように、とにかく笑うべく
賤しむべきこととして取扱われているらしかった。しかし当時の自分にはその光景がひど....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
たたないうちに阿Qも満足して勝ち慢って立去る。阿Qは悟った。乃公は自ら軽んじ自ら
賤しむことの出来る第一の人間だ。そういうことが解らない者は別として、その外の者に....
「女大学評論」より 著者:福沢諭吉
況して婦人は静にして奥ゆかしきこそ頼母《たのも》しけれ。所謂おてんばは我輩の最も
賤しむ所なれども、唯一概に寡黙を守れとのみ教うるときは、自から亦弊害なきに非ず。....
「旧藩情」より 著者:福沢諭吉
れば、算筆の芸もとより賤《いや》しむべきに非ざれども、当時封建士族の世界にこれを
賤しむの風なれば、これに従事する者は自《おのず》からその品行も賤しくして、士君子....
「学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
りの行き届きたるも学校の一得と言うべしといえども、その得は学校たるもののもっとも
賤しむべき部分の得なれば、毫《ごう》もこれを誇るに足らず。上流の学校に比較せんと....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
の時余は答案を誰よりも早く出して、その尻に一句ずつ俳句を書いた。その当時の余には
賤しむべき一種の客気があって専門学校などは眼中にないのだというような見識をその答....
「慶応義塾学生諸氏に告ぐ」より 著者:福沢諭吉
ることなし。 ひっきょうするに、数年来、世の教育家なる者が、学問を尊び俗世界を
賤しむこと、両様ともにはなはだしきにすぎ、高尚至極なる学問の型の中に無理に凡俗を....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
ん。よしや帰化人の後であると致しても、我が国では民族の異同によって甚だしくこれを
賤しむということはありません。もっとも穢多の源流を尋ねてみますと、皮革業者や肉食....
「「特殊部落研究号」発行の辞」より 著者:喜田貞吉
まで彼らが劣等なりやは、別に統計を取りて攻究すべき問題にして、軽々しく彼らをのみ
賤しむべきものにあらずと存じ候う。 よしや仮りに彼らの多数が、多くの点に於いて....
「「特殊部落」と云う名称について」より 著者:喜田貞吉
扱った為である。これらの所行を以て穢れたものと信じた往時の社会にあっては、これを
賤しむのもまことにやむをえなかったであろうが、今日では何人も牛馬の肉を食して怪し....
「牛捨場馬捨場」より 著者:喜田貞吉
る諸社禁忌のやかましく叫ばれるようになっては一般民は牛馬の肉を喰うものを甚だしく
賤しむに至った。この際においてただ屠者すなわち餌取の輩のみは、その殺生を常習とす....
「旃陀羅考」より 著者:喜田貞吉
相違ない。したがって殺生を以て罪悪とした仏徒の目からこれを見れば、憎むべきもの、
賤しむべきものとして、爪弾きされたに無理はない。またその感化を受けた普通人民から....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
てついには「坊主」がかえって軽侮の称呼となる。法師ならぬものに向かっても、相手を
賤しむ場合にはこれを坊主という。乞食坊主、売僧坊主、オゲ坊主、チャンチャン坊主、....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
言われることになったのかと思われるのである。しかし声聞師と言ったからとて、あえて
賤しむべき筋合いのものではない。森口君は中尾氏などの冤をすすがんことを注意された....