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「賤業〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

賤業の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
鉄の門を観《み》た事があるかい。ないだろう」 「だれが見るもんですか。吉原なんて賤業婦《せんぎょうふ》のいる所へ行く因縁《いんねん》がありませんわ。叔父さんは教....
糸車」より 著者:寺田寅彦
のである。 昔の下級士族の家庭婦人は糸車を回し手機を織ることを少しも恥ずかしい賤業とは思わないで、つつましい誇りとしあるいはむしろ最大の楽しみとしていたものら....
樋口一葉」より 著者:長谷川時雨
ばやとおもへど、母君はいといたく名をこのみ給ふ質《たち》におはしませば、児《じ》賤業をいとなめば我死すともよし、我をやしなはんとならば人めみぐるしからぬ業をせよ....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
憤慨しました。そしてあなたの親切が私自身に向けられるのを欲しません。市民に対して賤業婦《せんぎょうふ》をかばう親切、市長に対して警官をかばう親切、上長に対して下....
白痴」より 著者:坂口安吾
抗の動きのような長い反復があるのであった。 新聞記者だの文化映画の演出家などは賤業中の賤業であった。彼等の心得ているのは時代の流行ということだけで、動く時間に....
女大学評論」より 著者:福沢諭吉
に似たれども、気の毒なるは主人公の身持不行儀にして婬行を恣にし、内に妾を飼い外に賤業婦を弄《もてあそ》ぶのみか、此男は某地方出身の者にて、郷里に正当の妻を遺し、....
妾の半生涯」より 著者:福田英子
れ炊事を親《みずか》らするの覚悟なくば彼《か》の豪壮なる壮士の輩《はい》のいかで賤業《せんぎょう》を諾《うべな》わん、私利私欲を棄《す》ててこそ、鬼神《きしん》....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
心中などと云うようでは、全然ダメだなア。女房を派出婦にする代りに自分の方がどんな賤業についても一家を支え亭主関白の貫禄を支えるべきであった。アア、我アヤマテリ、....
妾宅」より 著者:永井荷風
位に先生は思っているのである。実際今の世の中に、この珍々先生ほど芸者の好きな人、賤業婦の病的美に対して賞讃の声を惜しまない人は恐らくあるまい。彼は何故《なにゆえ....
サンカ者名義考」より 著者:喜田貞吉
しても、結局は同情すべき社会の落伍者等が、都邑附近の空閑の地に住みついて、種々の賤業にその生活を求めたものであって、特に京都では坂の者・河原者の名で知られ、それ....
エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
と同じく、職を失った結果或いは鴨河原に住みついて、京人の為に掃除・皮細工その他の賤業に従事し、或いは屠者の群などに投じたが故に、自ずから石原里すなわち小島なる餌....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
も、つまるところはいわゆる「下司法師|原」である。これらの徒が活きんが為に各種の賤業に従事したので、中世以後の賤業者は、多くは法師姿をなし、或いは世間から、目す....
俗法師考」より 著者:喜田貞吉
主ならぬ者に濫用せられるようになっては、自ずからその語が賤しくなる。はては特殊の賤業者にまで多く用いられることになる。殿中にあって将軍大名の雑役に服するものも、....
融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
ことごとく土地を均一に与えられて農民となりましたが、この際取り残された落伍者で、賤業に従事して生活したものの如きも、厳格にいえばやはり非人と申してよいのであった....