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賦与
「賦与〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
賦与の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「梓川の上流」より 著者:小島烏水
氷雪の結象《コンクリーション》から、流通大自在の性《さが》を享け、新たなる生命を
賦与せられたものの特権として盛んに奔放する。低きには森あり、林あり、野の花あり、....
「虚構の春」より 著者:太宰治
家、華美な薄倖児《はっこうじ》である。彼を絶えず照した怠惰の青い太陽は、天が彼に
賦与《ふよ》した才能の半ばを蒸発させ、蚕食《さんしょく》した。巴里《パリ》、若《....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ている。野蛮人は、何でも動くもの、また何かの作用を及ぼす一切のものは、ある意志を
賦与された精霊によって魂を持たされていると見なす。こういう見方を名づけてアニミス....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
れの省いたのもある。その面に刻した戒名にも、皆それぞれの性格がある。これは僧侶の
賦与したものであるが、一面には故人らが人となりをも語っている。鉄巌宗寿庵主のいか....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
るだけの愛を自分は親に対し持っているのか? いな子供には親に対する本能を自然から
賦与されていない。自分にどうして親を責める資格があろう。ここにおいて自分は親に対....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
うとも、怖るることは無い。況《いわ》んや会津へ来た初より其政宗に近づくべく運命を
賦与されて居るのであり、今は正《まさ》に其男に手を差出して触れるべき機会に立った....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
よみがえってきた。彼女は人間的であった。彼女はすべての優しさと、女らしい性質とを
賦与されていた。彼女は最も崇拝にあたいする女性であった。彼女は確かに高尚な勇壮な....
「省察」より 著者:デカルトルネ
く、ただ単に欠陥であるということ、従ってまた私が過つには、この目的のために神から
賦与せられた或る能力が私に必要であるのではなく、かえって私が神から得ているところ....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
かし、手綱と鞭と馭者と車掌とが、一緒になって、放置しておけば、動物の中には理性を
賦与されているものもいるという議論に非常に都合のよくなる目論を、禁止するところの....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
がった。 特に私の注意を惹いた現象の一つは、人体や、じつはなんであろうと生命を
賦与された動物の構造であった。私はよく、どこから生命の原理は出て来るのだろうか、....
「チチアンの死」より 著者:木下杢太郎
。そして牧人は牧女に伍して……。 バチスタ 引いて行く、実質もない雲には彼は心を
賦与した。被衣のような、淡い、白いひろがりをば、淡く甘美なる※の樹の悲哀から、凡....
「クリティシズムと認識論との関係」より 著者:戸坂潤
限界の芸術ジャンルから自由として之にクリティシズムそのものとしての世界の独自性を
賦与することをば、妨げる。つまりクリティシズムの進歩を妨げることにならぬとも限ら....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
政府これを認定して公認教とするという。この公認教には、政府より毎年若干の保護金を
賦与するなり。すなわち一八八八年度の表によるに、政府にて宗教上に費やせる金額、左....
「フランケンシュタイン」より 著者:宍戸儀一
その可能性を考えさせる。生きるものの構成分子は造られ、接ぎ合され、活きた暖かさを
賦与されるにちがいない。「私は見た、――閉じた眼で、しかし鋭い心的視力をもって―....
「名もなき草」より 著者:小川未明
た、名がなくとも、純粋で、美しかったら、正しかったら、天地の間に、何ものかの力を
賦与している。また、何ものの力をもってしても、何うすることもできない。それは、確....