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「賦役〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

賦役の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夜明け前」より 著者:島崎藤村
とも船の中より、朝夕一両度ずつ大筒など打ち放し申し候よし。町人並びに近在のものは賦役に遣わされ、海岸の人家も大方はうちつぶして諸家様のお堅め場所となり、民家の者....
マリア・バシュキルツェフの日記」より 著者:宮本百合子
行われたが、これはドイツにおける農奴解放と同様にこれまでの農奴として地主のために賦役させられた農民が、今度は生きるために「自分の意志」で賦役制度にしたがわなけれ....
飛行機の下の村」より 著者:宮本百合子
来ているのだ。 途中で見て来た道普請のことが出た。 「組合員は反対なんだ。強制賦役反対、弁当代を出せろと云っているんです」 やがて、美味いウドンの昼飯をすま....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
うとするものにしいて近づけられることだった。一つの苦しみのみではなかった、一つの賦役だった。 マリユスは政治的反感の理由のほかになお、いくらか気がやわらいだ時....
死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
自ら信仰をもっているか、そして人に信仰をもたせうるか。彼はその崇高な仕事を一つの賦役として機械的にやってはしないか。囚人馬車のなかで死刑執行人と相並んでるその好....
人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
には、その耕作の自然的進歩を阻害するある事情が確かにある。今日なお若干の煩わしい賦役制度が残存しており、これは一定の土地の所有者が王領のために負担させられるもの....
植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
見延喜臨時大甞祭図書寮玄番寮民部省主計寮大蔵省宮内省大膳職内膳司主膳監等式、又見賦役令万葉集、云々、之レニテ判ズレバ古ヘハみるヲ朝廷ニ献貢シタリシモノナルベシ、....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
ち》輩下のごとく追い使われ、相勤めまする一日十余時間、休みもくれぬ苛酷《ひど》い賦役。タヌにあっては煮られたマカロニのごとく尻腰のないコン吉も、実は、心中無念で....
火葬と大蔵」より 著者:喜田貞吉
がなかったであろうか。屍体を焼くことはすでに大宝令の本文にも少からず見えている。賦役令に、丁匠役に赴いて道に死せば、これを路次に埋め、本貫に告げて家人の来り取る....
憑き物系統に関する民族的研究」より 著者:喜田貞吉
謂飛騨の工で、農業の代りに木材の扱いに慣れていたが為に、その慣れた木工の業を以て賦役に当て、調庸の代りに工として京都へ番上したのであった。しかるにその飛騨の山国....
間人考」より 著者:喜田貞吉
大名小名の「名」で、もと名負地すなわち名田を意味する。名田を有し、それ相当の貢租賦役を負担するもののみが本来百姓すなわち名主として認められたもので、その以外は間....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
に困難ですが、その途筋では駅馬を徴発して来ますので、その駅馬なるものはその地方の賦役として必ず徴発に応じなければならん。その物品はまず麦、豆、小麦、蕎麦、マル(....
三国志」より 著者:吉川英治
る田豊は、 「ここ年々の合戦つづきに、倉廩の貯えも、富めりとはいえないし、百姓の賦役も、まだ少しも軽くはなっておらない。まず、国内の患いを癒やし、辺境の兵馬を強....