質札[語句情報] »
質札
「質札〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
質札の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
」 「まだつまらぬ強情張るのかい。じゃ、びっくりするもの見せてやろう。この印形と
質札に覚えはねえのか!」 「げえッ」 「おそいよ、おそいよ。こっちゃお献立ができ....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
会」 べつに看板を掛けた。それには、 「恩給・年金立て替え 貯金通帳買います
質札買います」 恩給・年金の立て替えはべつとして、あとの二つは目新しい商売だっ....
「空を飛ぶパラソル」より 著者:夢野久作
銭入りの蟇口と、すこしばかりの化粧道具を入れた底の方から、柳川ヨシエという名宛の
質札が二枚出た。お召のコートと、羽織と、瓦斯の矢絣の単衣物と、女持のプラチナの腕....
「ネオン横丁殺人事件」より 著者:海野十三
い。 「番頭さんによく訳を言って掛合うといいわ。あたしも、もうせん、あすこの店の
質札をなくして困ったけれど、話をしたら、簡単に出してくれたわよ」 どうやらゆか....
「上海された男」より 著者:牧逸馬
い、油ぎった水が洋々と沖へ続いて居た。その石垣の上に坂本新太郎の海員手帳と一枚の
質札が落ちていたのである。 時を移さず所轄署の活動となった。動機の点が判然しな....
「御萩と七種粥」より 著者:河上肇
来なかった。それに私の家は、私の父が家督を継いだ時、譲られたものは、家屋敷の外は
質札ばかりであった、と云われるほどあって、書籍などいうものは殆ど一冊も無かった。....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
けるじゃなし、持ってきた物さえ片っぱしからお蔵《くら》へ運んで、ヘン、たまるのは
質札ばかりだ――ごらんなさいッ! もうその質ぐさもないじゃありませんか」
「まあ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
らしいようです。空巣も大ばやりです、花見にかけてだから。そしてこれは実に面白い、
質札買います、という広告が新聞に出ます。もとはなかった広告でしょう? そんな会社....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
責任はとらねばならぬ。着物が欲しけりや二号になつて旦那から出してもらへ、と云つて
質札をなげてよこした。 「だつて瀬戸さんの借金は瀬戸さんが払ふ筈ぢやありませんか....
「生きている戦死者」より 著者:牧逸馬
大々的捜索をしてみた。全部で二十六の屍体が現れている。みんな若い女だ。百六十枚の
質札が食堂の絨毯の下から出て来て、これはすべて被害者の所持品衣類等を入質したもの....