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購う
「購う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
購うの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「骨董」より 著者:幸田露伴
は商人で、大身上で、素敵な物を買出すので名を得ていた。千金を惜まずして奇玩をこれ
購うので、董元宰の旧蔵の漢玉章、劉海日の旧蔵の商金鼎なんというものも、皆杜九如の....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
を愛するという意味であったそうである。 抽斎は金を何に費やしたか。恐らくは書を
購うと客を養うとの二つの外に出でなかっただろう。渋江家は代々学医であったから、父....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
嘆すべきは余財を傾けて蕪村の短冊一葉を己れの有としたことで、かれはこれらのものを
購うにも決して価の高下を言わず、他のいうがままに買いとるのである。曰く、「価を値....
「戦争はわたしたちからすべてを奪う」より 著者:宮本百合子
中立ができるものなら、何の苦労もいらないのだ。中立とは(あらゆるギセイを払って)
購うべきものであり、永久平和を守ることは、戦うことより困難であることを知っていた....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
いた頃、世間に何か目出度いことがあって、その記念として、動物園では夫婦者の麒麟を
購うことに決めた。人も知っているように、麒麟は多くの動物のうちでも、とりわけ首と....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
して、それも買い得なかった。これは次の旅行からは、多少腹が太くなって、色々漢籍を
購うこともして、それを買い過ぎたといって父から叱られたこともあった。 家茂将軍....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
に差引かれても、残るお金で毎朝小使いさんが下町へ買いものに出るのに頼んで、書籍を
購うことが出来た。その時分『女鑑』だとか『大日本女学講義録』などが出て、学びたい....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
た。この私は、利己的な立場から、おそらく人間全体の存在を犠牲にして、一身の平和を
購うことを躊躇しなかった、ということになるのだ。 私は身慄いし、気が挫けた。と....
「純粋経済学要論」より 著者:手塚寿郎
を購い、あるときは商品・家屋・土地を購い、あるときは種々の企業の株式または債券を
購う。 交換は市場において行われる。ある特種な交換が行われる場所を、我々は特種....
「“能筆ジム”」より 著者:坂口安吾
に出かけて、肉類をはじめ食糧品を買い、時には女房や子供ともども出かけて衣類などを
購うこともあった。そうして、女房には充分金を与えて、不満のないようにしていた。そ....
「幼き頃の想い出」より 著者:上村松園
術家の歴史に有名な逸話の実際の結晶である絵本類がそのように容易く、今日の古雑誌を
購うのと同様に買い取れたかと思うと、世知辛くなかったその時代のことが一層懐かしまれるではありませんか。....
「巷の声」より 著者:永井荷風
で使う鍋釜のたぐいも悉く廉価なる粗製品となり、破損すれば直様古きを棄てて新しきを
購うようになった為めであろう。何物にかぎらず多年使い馴れた器物を愛惜して、幾度と....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
。凡て木型を用いて作ります。日を定めて市日が立ちますが、農家や町家などでは年々|
購うことを忘れません。この国も紙漉場をあちらこちらに見ます。多野郡、山田郡、吾妻....
「民芸の性質」より 著者:柳宗悦
は少数の才能ある美術家達が少量に作る製作に外なりません。したがって高価であって、
購う側も少数の金持に限られてくるのです。かかる非社会性は、美の王国を実現するため....
「料理一夕話」より 著者:北大路魯山人
りなからんことを希っている。 こんなのが賢明な常識人とされている。絵のひとつも
購うとなると、新しい書画さえ買えば間違いはない、古い物は危険だからとて買わない。....