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贅肉
「贅肉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
贅肉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
貴族 一 「十一時二十分ですわ。もう……」 時間をきかれて、貴子はむっちりと
贅肉のついた白い腕を、わざと春隆の前へ差し出した。――田村の二階の一室である。 ....
「オリンポスの果実」より 著者:田中英光
筋肉の塊《かたま》りにみえる、すさまじさで、ブリッジの練習。体操の選手は選手で、
贅肉《ぜいにく》のない浮彫《うきぼり》のような体を、平行棒に、海老《えび》上がり....
「大脳手術」より 著者:海野十三
って接合部切口における断面積も算出されるわけだから、これらの数値によって不要なる
贅肉は揉み出して切開除去されるのだ。だから股と移植すべき脚との接合部はぴたりと合....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
なく、とがった頤《あご》の下から、まるで金財布のようにだぶだぶした横に長い大きな
贅肉《ぜいにく》がぶらさがっていた。それが彼の顔にいやらしい淫蕩《いんとう》な相....
「傷痕の背景」より 著者:豊島与志雄
た若々しい髪、細く長い眉、下眼瞼の円く開いた眼、理知的に尖った※、口角の頸にある
贅肉のふくらみ……そのふくらみを中心に、彼女は可愛い笑いを浮べた。 「それから…....
「立枯れ」より 著者:豊島与志雄
りに自分の書斎で彼女を眺めた。断髪と大きな眼と頬の円いふくらみ、それから、皮下に
贅肉の多い肉附と脂を浮かせてる皮膚、その二つが、一つは彼女の若々しい快活さを示し....
「常識」より 著者:豊島与志雄
気まぐれにしちゃって……。それとも、すぐ一緒に、どっかへ行ったっていいが……。」
贅肉の多いしまりのない頬が、酒のために赤味を帯び、厚ぼったい唇が女性的な赤みにそ....
「或る作家の厄日」より 著者:豊島与志雄
たところもある。だが彼女には、そういうものが一切ない。肥満しすぎてるのでもなく、
贅肉が多すぎるのでもないが、全体に丸っこいのだ。顔立ちはふっくらしているし、首が....
「変る」より 著者:豊島与志雄
脂矢羽根の帯締に小さな銀鍵をさげている。それが、着附のうまさにすらりと見えるが、
贅肉が多く、首筋が太く、声はしゃがれていた。 「ほんとは、お断りしたかったんです....
「道標」より 著者:豊島与志雄
致します。」 百円札を五枚、彼女は卓上に置きました。 尾高は呆気にとられて、
贅肉の多い頬をもぐもぐさせながら呟きました。 「そんなこと……いいんですよ。いっ....
「紫大納言」より 著者:坂口安吾
昔、花山院の御時、紫の大納言という人があった。
贅肉がたまたま人の姿をかりたように、よくふとっていた。すでに五十の齢であったが、....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
士はこれと異い、年もおおかた三十でもあろうか、面擦れのした赭ら顔、肥えてはいるが
贅肉のない、隆々たる筋骨の大丈夫で、その名を平手造酒といった。 ゴロリと畳へ横....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
に返り、騒ぎ出したら、一討ちにするつもりらしい。武道で鍛えあげた彼の体は、脂肪も
贅肉も取れて、痩せすぎるほどに痩せていた。それでいて硬くはなく、撓いそうなほどに....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
顎も角ばらず円味づいていた。身長は五尺五六寸もあろうか、肉付は逞しくあったけれど
贅肉なしに引きしまっている。髪は総髪の大髻で、髻の紐は濃紫であった。黒の紋付に同....
「決闘」より 著者:神西清
む術を知らぬからだそうだ。こういう好色漢の脳髄には、きっと肉腫といった風の特殊な
贅肉があって、それが脳髄を圧迫し、心理全体を支配しているに違いない。ラエーフスキ....