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贏
「贏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
贏の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「富士」より 著者:岡本かの子
は一途にあえかなるものに向って求めているのだと土民はいった。女はその瞳の一つだも
贏《か》ち得たなら自分はどんなに幸福だろうと考えないわけにはゆかない。 恋い死....
「新日本の進路」より 著者:石原莞爾
ツ、日本等、いづれも統制主義の高き能率によつて、アメリカやイギリスの自由主義と輸
贏を爭わんとしたのである。これがため世界平和を攪亂したことは嚴肅なる反省を要する....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
込まれた。けれども、彼が一旬日ほど以前、聖アレキセイ寺院のジナイーダの室において
贏ち得たところの成功が、はたして今回も、繰り返されるであろうかどうか――それがす....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
でに、露骨にかつ哀訴的な態度を取ることさえもあえてし、しかもかくまでしてようやく
贏ち得たる愛を一年も経ぬ間に世にも惨めに失い、加うるにそのために一生の運命に決定....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
埋葬夫とを兼ぬる有様であった。その勇気と忠実と親切とは、当然教区民の絶大の敬慕を
贏ち得たが、健康が許さないので、一八六八年他の教区に転任した。彼は何所へ行っても....
「耳無芳一の話」より 著者:小泉八雲
迎えに来て、かの高貴の集りに連れて行ったが、そこで芳一はまた吟誦し、前囘の演奏が
贏ち得たその同じ成功を博した。しかるにこの二度目の伺候中、芳一の寺をあけている事....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
そうして、左枝の顔に、それまでにはなかったところの、悽愴な気魄が泛び上がった。輸
贏をこの一挙に決しようとするのであろうか、突然立ち上がると同時に廊下へ飛び出した....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
し、石川氏は牙彫であったため、時流に投じ、早く出世をして、世の中へ出て名人の名を
贏ち得たので、既に明治十三年の竜池会が出来た時分、間もなくその会員となって、山高....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
でやかな美貌と時には職業上の政略として用いる例の彼女の可愛いいふてぶてしい技巧で
贏ち得た男達であろうと思っては見たが、今の彼にとって余り宜い気持ちは仕無かった。....
「法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
いで三十一年にはそれが東大工科大学紀要となり、同君はこれに依って工学博士の学位を
贏ち得られたのである。同君の新研究は、勿論実物上の調査を主としたものではあったが....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
日まで引続いて広く読まれていると共に、また文学史上においても確乎たる古典的地位を
贏ち得ているのである。 「宝島」は洵に少年文学であると同時に成人をも十分に愉しま....
「とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
ころを見付けていた。国太郎はまたどうかしてこの教育ある令嬢出のおかみさんの尊敬を
贏ち得るような夫になろうと苦心した。 努めて下町のおかみさんになろうとする梅子....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
を掻いている。
貴様の先祖から譲り渡された物を、
貴様が占有するには、更にそれを
贏ち得んではならん。
利用せずに置く物は重荷だ。
刹那が造ったものでなくては、刹....
「「特殊部落」と云う名称について」より 著者:喜田貞吉
彼らの瘠我慢で、偶然、貴族の家に生れ合わしたという幸運と、自己の奮励努力によって
贏ち得た爵位と、その価値いずれにあるかは、識者を俟たずして明らかなところである。....
「融和促進」より 著者:喜田貞吉
誉の地位を得ているものよりも、もと賤しい家から出て、自分の努力によってその栄誉を
贏ちえたものの方が、いくら尊いかわからないのであります。繰り返していう、祖先の歴....