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贖
「贖〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
贖の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
部落の老若《ろうにゃく》はことごとく、律《おきて》通り彼を殺して、騒動の罪を
贖《つぐな》わせようとした。が、思兼尊《おもいかねのみこと》と手力雄尊《たぢから....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
》にかけた罪は、それがしひとりが負うたようなものでござる。但し罰をうければこそ、
贖《あがな》いもあると云う次第ゆえ、やがて御主の救抜《きゅうばつ》を蒙るのも、そ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
なかに眼を醒ますと、いわゆる鉄砲の中毒、ふぐの祟りで苦しみ死にをしたのは、天罰|
贖面《てきめん》とでも云うのでしょう」 「玉太郎はどこに隠してあったんです」 「....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
説を熱心に唱道した。この説は当時の神学者から見ると非常な危険思想であってその罪を
贖うにはただ焚殺の刑あるのみと考えられたのである。ガリレオ及び他のコペルニクス説....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
地獄の淵につき墜すようなものだ。反省しろ、そして実行するんだ。マスミに対する罪を
贖うには、今からでも決して遅くはないぞ!) 僕は苦しさに怺えられなかった。マス....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
た事務に取りかかった。 かの女は、今こそこの父はむす子の幼時に負うた不情の罪を
贖う決心でいるのだと思った。ときどき眼を瞑って頭を軽く振っているのは、出そうにな....
「流線間諜」より 著者:海野十三
『狐の巣』に宣告する」と首領は言った。「君には秘密にすべきマッチ箱を売った失敗を
贖うことを命ずる。但し我等の祖国は君の名をR団員の過去帖に誌して、これまでの忠勇....
「死者の書」より 著者:折口信夫
心を、思うたのである。次には、女人結界を犯して、境内深く這入った罪は、郎女自身に
贖わさねばならなかった。落慶のあったばかりの浄域だけに、一時は、塔頭塔頭の人たち....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
のに対しても、常に正しく、常に親切である。 従って霊訓は、此神に対して第三者の
贖罪を必要としない。天帝は復讐的に、天則違反者に決して懲罰を与えることもなければ....
「嫉みの話」より 著者:折口信夫
んなことの裏に、神事関係がはいっていることがわかる。ことさかのめやっこは、一つの
贖罪のために出すもので、出すのは夫である。あがないを受けるのは普通は神であるが、....
「紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
ー。いまこそ、妾の憎しみを知ったであろうのう。そもじを十字架に付ければとて、罪は
贖えぬほどに底深いのじゃ。横蔵を害め、慈悲太郎を殺したそもじの罪は、いまここで、....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
いる。理由はない、まさに確然と理由はない、それであるのに……。どうして、懲罰とか
贖罪とかいう意識がさき走ってくるのだろう。 それが左枝八郎の、どこか頭の隅に棲....
「反省の文学源氏物語」より 著者:折口信夫
己の過ちを省みなければならぬのである。内からの反省と外からの刺戟と、ここに二重の
贖罪が行われて来ねばならぬ訣である。此様に、何か別の力が、外から源氏に深い反省を....
「寡婦」より 著者:秋田滋
たのです。いまだに私はそれについては始終後悔の涙にくれるのです。私は生涯その罪の
贖いをして来ました。こうして老嬢をとおしております。いいえ、老嬢と云うよりも、婚....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
の前の境遇に釘付けにして貰うことは、寧ろ必要とするところでもあったので、笞を嬉ぶ
贖罪者の気でじっと辛抱して勉強した。そういう事情に促進されて、詩文の技倆はどしど....