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赤い
「赤い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
赤いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
った止め桶の湯に、鮮《あざや》かに映っている窓の外の空へ眼を落した。そこにはまた
赤い柿の実が、瓦屋根の一角を下に見ながら、疎《まば》らに透いた枝を綴《つづ》って....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
かへ消え失せてしまいました。
するとあくる日は、まだ、笛を吹くか吹かないのに、
赤い勾玉《まがたま》を飾りにした、目の一つしかない大男が、風のように空から舞い下....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
得々《とくとく》と話を続けて行った。
「和田の乗ったのは白い木馬、僕の乗ったのは
赤い木馬なんだが、楽隊と一しょにまわり出された時には、どうなる事かと思ったね。尻....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
んで来ます。大川に臨んだ仏蘭西窓、縁《へり》に金を入れた白い天井《てんじょう》、
赤いモロッコ皮の椅子《いす》や長椅子、壁に懸《か》かっているナポレオン一世の肖像....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
可思議な魅力《みりょく》を添えるようだった。
オルガンティノは寂しそうに、砂の
赤い小径《こみち》を歩きながら、ぼんやり追憶に耽っていた。羅馬《ロオマ》の大本山....
「河童」より 著者:芥川竜之介
の事実を発見した時、西国《さいこく》の河童は緑色であり、東北《とうほく》の河童は
赤いという民俗学上の記録を思い出しました。のみならずバッグを追いかける時、突然ど....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
く》りの家に出してあるのが眼に止まった。その旗は算木《さんぎ》を染め出す代りに、
赤い穴銭《あなせん》の形を描《か》いた、余り見慣れない代物《しろもの》だった。が....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
余り突然すぎたので、敵も味方も小銃を発射する暇《いとま》がない。少くとも味方は、
赤い筋のはいった軍帽と、やはり
赤い肋骨《ろっこつ》のある軍服とが見えると同時に、....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
と、「朝日」の二十入りの空《あ》き箱に水を打ったらしい青草がつまり、それへ首筋の
赤い蛍《ほたる》が何匹もすがっていたと言うことです。もっともそのまた「朝日」の空....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
にかざした。金網《かなあみ》をかけた火鉢の中には、いけてある炭の底に、うつくしい
赤いものが、かんがりと灰を照らしている。その火気を感じると、内蔵助の心には、安ら....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
、なんということもなく見渡しながら、その暗緑色の水のあなた、暗い家々の空に大きな
赤い月の出を見て、思わず涙を流したのを、おそらく終世忘れることはできないであろう....
「江口渙氏の事」より 著者:芥川竜之介
て人間的興味を中心とした、心理よりも寧ろ事件を描く傾向があるようだ。「馬丁」や「
赤い矢帆」には、この傾向が最も著しく現れていると思う。が、江口の人間的興味の後に....
「格さんと食慾」より 著者:芥川竜之介
耳のあたりをコオルド・ビフのように料理するが好い。皿に載せた一片の肉はほんのりと
赤い所どころに白い脂肪を交えている。が、ちょっと裏返して見ると、鳥膚になった頬の....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
彼女は花はずかしい十八歳の乙女だった。しゃこのように丸々と肥って、熟して柔らかで
赤い頬は、まるで彼女の父のつくった桃にも似ていた。そして、彼女の評判はひろく知ら....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
で、人びとの尊敬の的となり、全国民の哀悼のうちに亡くなったのである。その亡躯は、
赤いズボンをはいた兵士達に護られて墓へ運ばれ、白いネクタイをかけた人たちが、彼の....